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14.魔女狩り

「なんだ…今の術は…!?」死神が震えている。クリスは再び魔導書のページをめくり詠唱を始める。そして指で円を描くとその軌道に沿って光の輪が作られた。それは大きく膨らみ人が一人潜れる程になる。「あなたにチャンスをあげますわ。この光の輪を受け止め…

13.魔女狩り

「ふははは!そのようなか弱き小娘に何ができる!!俺の血肉に変わるだけだ!!」ダン国王が踏み込みロウファとの間合いを詰める。するとロウファは後ろ手からハンマーを勢いよく振り抜いた。「ぷぁっ!?」不意を突かれたダン国王は顔面にハンマーを受け後方…

12.魔女狩り

ダン国王は死神の魂を口にした事で絶大な力を手に入れていた。元々逞しかった肉体は更に大きくなり筋肉が隆起している。太い血管が露わになり目は血走っていた。4人の死神がダン国王と対峙していた。「ちぃ!たかが不浄ごときに我々死神が苦戦するはずもない…

11.魔女狩り

「旧知の仲ですわ…。かつて何度も戦ってきましたの。決着は未だについてはおりませんわ。もっともにしてクロウの方がまともに戦おうともせずに逃げ回っていることが現状ですわね。もう940年以上も腐れ縁が続いてますわ」クリスは肩を竦める。「900…4…

10.魔女狩り

「うぅ…」シュクレンの目の前には妖しく光る刃があった。これから何が起きるのは容易に想像できた。それは今まで自分がしてきたことだ。恐怖というものは小さな穴のようなものでも一気に広がり体の中を支配する。自ずと体が小刻みに震え始める。「あ…」見上…

9.魔女狩り

クリスの体から光の粒が上がり形を失っていく。「なかなかの手練れ…不浄にしておくには惜しいが仕方あるまい」死神がクリスに歩み寄るとクリスの体が光の粒となり消える。「な、なんだ!?」空中に舞い上がった光の粒が人の形に変化していく。それは徐々に鮮…

8.魔女狩り

 シュクレンは無我夢中で通路を走る。「クロウ…どこ!?」 窓の外には無数のカラスが飛び交っているがどれがクロウかわからない。「どうして来てくれないの…」 城の出口を目指して走るが方向が合っているのかさえわからない。後ろを振り向くがクリスが追…

7.魔女狩り

 シュクレンとクリスは通路を走る。「出口は…!?」「このまま真っ直ぐ…ちょっと待って!」 クリスが足を止めて部屋に入る。そこは様々な衣服が飾られていた。「さすがに裸のままじゃ逃げられないわね…シュクレン!これを!」 クリスは服を差し出す。「…

6.魔女狩り

「妖の蒼月の体には黒の書による呪文が刻まれているという。お前は魔女ではないな?」女は震えながらもホッとしたような表情をする。ダン国王の両手が女の肩を掴む。口を大きく開けると鋭い牙が存在していた。「いやぁぁぁ!!」牙で女の頸動脈を食いちぎった…

5.魔女狩り

「それでは仕方がありませんな。戻りましょうか」クリスは引き返そうとする。「待て!ちょっとおかしい。顔を見せろ!」兵士がクリスの布を引っ張る。「はっ!」その直後にクリスが手の平で兵士の頭を抑えると糸が切れた人形のように倒れた。「なっ!?お前何…

4.魔女狩り

「このセカイの不浄の魂はおそらくは国王、そしてその家臣達だ。多くの魂を一気に回収できるが国王の魂は他の死神にくれてやってもいいだろう。そっちはソウルイーターの仕事だ。国王を倒せば他の魂は解放されるはずだ。俺達はその魂を回収すればいいだろう」…

3.魔女狩り

夜になっても魔女狩りは慌ただしく行われた。煌々と松明の炎が街を照らし何人かの悲鳴や怒号が路地に反響する。この国にはもはや安堵する場所も時間もないのだ。「シュクレン…こっちへおいで」クリスが手招きする。そして髪に何かを塗る。それは酷く匂う液体…