7.死神の棲む街
「随分揺れる船だな!平衡感覚は大丈夫か?圧倒的に死神野郎の方が有利な状況だ。だが、それはいつもの事だろ?お前はいつものように戦い、勝利するだけだ!!」シュクレンの持つ大鎌が禍々しく黒光りする。死神はゆらゆらと陽炎のように歪んでいるが、その手…
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6.死神の棲む街
ナイフが照明に反射し鋭い光を放つ。「ちょっと待って下さい!」男の怒号が部屋に響いた。死神の姿はなく、目の前には体躯の大きい男と恰幅のよい初老の男性が机越しに睨み合っている。よく見れば部屋も先程とは全く違っており、さっきまでいた部屋とは違う部…
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5.死神の棲む街
「これは死神の仕業なんだ…死神が…死神がお母さんを…僕が…死神を殺す!!」震える声で精一杯絞り出しすように喋ると立ち上がる。その足元はおぼつかずフラつきながらどこかに行こうと歩き出す。「…カイト…やめて…駄目…」シュクレンがカイトの手を取り…
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4.死神の棲む街
どこかで何かが動く音がする。部屋全体が軋み歪むような重苦しい空気に胸が苦しくなる。その音は徐々に激しく鮮明になり、微睡みの浮遊感から引き戻された。目を開けると暗い天井が見える。汗をかき服が肌に冷たく張り付いていた。「…気持ち悪い」ベッドを降…
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3. 死神 の棲む街
深夜。シュクレンが微かな物音に目を開けると窓の外に黒いカラスが居て室内を覗き込んでいた。「…クロウ」ベッドから起きて駆け寄り窓を開ける。「シュクレン、どうやら死神気取りの殺人鬼がいるみてぇじゃねぇか?この陰気臭い”セカイ”も奴のものかは知ら…
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2. 死神 の棲む街
「あそこが僕の家だよ」カイトが指差した方には薄暗い街の一画に不釣り合いとも言える程お洒落なレンガ造りの家があった。小さな窓からは明るく柔らかい光が溢れていた。「ただいまー!」カイトが声をかけるとガチャリとやけに重厚な鍵が解錠する音がして扉が…
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1.死神の棲む街
その少女には感情が無かった。気が付いたらこの何も見えない深い暗がりのセカイに呆然と立ち尽くしていたのだ。目が慣れてくると一筋の光が見える。その光の方に歩くと狭い路地から出る。辺りを見回す。まるで繁華街のような造りの建物が連なっていたが人の姿…
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