漆黒結社の朝礼だヒーッ!!

漆黒結社の総統がありがたい訓示を述べている。
「え~、この通り暑いので~、熱中症に~、ならないように~してください。であるからして~…うんたらかんたら…」

足元は鉄板である。我々戦闘員はまるでたい焼きくんだ。
頭からつま先まで真っ黒なスーツを着て立ち尽くしてるしかない。せめて総統の訓示が終わるまでじっとしていなければならないのだ。

「ちくしょう…くそ長ぇなぁ…」
前の戦闘員が愚痴をこぼす。これは私も感じていた。とにかく無駄に話が長いのに内容はさっぱり入ってこない。

「水分の~、摂りすぎによる~、体調悪化など~うんたらかんたら…」
さっきから言われなくてもわかっていることばかり繰り返し言葉を変えて喋っている。

正義の味方なんて気まぐれなものだ。我々が働かなければ彼らは動く必要がないのだ。
我々が用意周到に準備をして、さぁ!これからだ!!という時に待ってましたとばかりに登場して邪魔をするのだ。
こっちは土日祝日関係なしにタダ同然みたいな賃金で準備してきたのに…何が悪は許さん!だ。こっちが許せねぇつーの…。

「我々の働きが~、社会への~、制裁となり~、世界征服への~、第一歩として~、うんたらかんたら」
よくもまぁ次から次へと言葉が出てくるものだ。
「昨日のワイスピ見たが?」
隣の戦闘員は完全に飽きて上の空だ。いつかはあんな主人公になって活躍したいとも思うが我々は所詮モブキャラに過ぎないのだ。

無難にコソコソとダンゴムシのように生きるしかないのだ。

「というわけでございまして~、今日も一日頑張ってください!」
「ヒーッ!!」

【ボカロな日常】パンツの日

今日8月2日はパンツの日だそうだ。語呂合わせからパンツの日か…パンツねぇ…。

先日テナさんのパンツに転生する話を発表したが不発に終わった。本当に不発だったのだ。えっちぃ話を書けばたくさんの人が釣られてやってくると思っていたのに片手で数えられるくらいしかこなかった…。

浅はかだった…。

でも今日はパンツの日…この記念すべき日をぜひとも最高のものにしたいと…。

というわけでテナさん!!

テナ「はい?」

ぜひ…その…パンツを…みせ、みせ、魅せて下さい!!

テナ「ダ、ダメですよ~…恥ずかしいなぁ、もう…」

そこをなんとか!!

テナ「ダメなものはダメです!!」

そこをなんとか!!地面に頭を擦りつけるのでお願いしまーす!!

テナ「やだ!もう!」

のおおおおお!!これはたまらん!!

テト「おい!何をしてるんだお!?」

おお、テトさん…って…

テト「君ってやつは…!!」

な、なんという恐ろしいお顔…あわわ…

テト「そんなにパンツが見たいならボクのを見せてあげるお!!」

いや、それはパンツじゃなくてパンチッぷぉっあ!?

 

終わり


-クレジット-

重音テナ、重音テト…ルル・三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

4.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

遂に白い鹿を見つけた私とテト。その大きさと躍動感は想像を超えるものであった。しばらく辺りを散策しているとそこには…。


テト「あれってもしかして…?」

「おお!これはあのドラマで舞台となった『パラディソ 』だよ!!」

テト「だよな!?この場所にあったのかぁ~」

そう、これはあの草なぎ剛主演のドラマ『ペペロンチーノ』で最後の舞台となった店『パラディソ』なのだ。もっとも私は寝落ちして最後まで観ていないのだが…。

テト「あの最後は感動的だったお!意外な展開で驚いたお!」

「へぇ~、そうなんだ…」

店はまだ中に什器が残されているがなんとなく廃墟っぽい。まだイベントで使用するのだろうか?でも綺麗な状態なので誰かがきちんと管理しているのかもしれない。

それともこのまま時と共に朽ち果てていくのだろうか?案外ここで喫茶店でも開けば…などと素人の考えを起こすがよくよく考えてみれば常連はつかめないし何かと経費もかかる。この場所はとてもいい所だけにいろいろと残念な部分もある。

テト「今は誰もいないけど以前はたくさんの人が来たと思うと不思議だお」

「そうだねぇ、栄枯盛衰って感じるけどいろいろと思うことはあるね。ここでどれだけの人が食事と風景を楽しみ思い出を作っていったんだろうね…すごくいい場所だと思うよ」

誰もいなくなって、誰も訪れなくなって時間と共に無くなっていくものでも人々の記憶にはきちんと刻まれているのだ。家族と、友達と、恋人と…訪れた思い出の場所。

なんとなくそういうところにロマンを感じるなぁ。

テト「ここから見える景色もいいお!」

「なんとなくもの悲しげな雰囲気がいいよね」

テト「で、君は今日という日をどう思ったのかお?」

「ん?というと?」

テト「今日は君の人生で一度しかない日だお。あのまま惰眠を貪っていたらなんでもない1日だったお」

「うん、そうだね。どういうわけかこんな遠い所まで来てしまったんだ」

テト「ボクたちの旅はいつも突発的だお。思い立ったが吉日だお」

「ははは、違いないね。こんな晴れた日に一日中寝てるのもね。普段からこうやって動けたらいいんだけど…」

テト「まだ頑張れるお!もっと旅をして心のパワーを手に入れるお!」

「ああ、旅をして『心 』を見つけていくってすごく大事だと思うよ。自分が何者なのか自分自身と見つめ合うんだ。普段は誰かと一緒にいて、無意識にその誰かから見た自分を演じてるんじゃないかなって、思う時がある。本当の自分らしさってなんだろうって…」

テト「忘れっぽくてすぐにセンチメンタルに浸ってしまうのが君らしく思えるお」

「おいおい…!まぁ確かに忘れっぽいのはあるけどそれは性質だからなぁ!」

静かな波音が心に染みる。この穏やかな時間をずっと忘れずに鮮明に心に刻んでおけたらどんなにいいことだろう。どんなに素晴らしい思い出でも時が経てば色褪せて淡くなっていく。懐かしいって気持ちは人生の宝物なのかもしれない。いつかはその思い出だけに浸って夕日が沈む海を眺めることもあるのだろうか。

この時間がもっともっと続けばいいのに…。


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

WorkingFloorALv0.0.6…針金様

【ボカロな日常】パンツはつらいぜよ

私はなぜか床に寝ていた。天井が見える。ああ、起きるかと身を起こそうとするが全く動かない。

うむむ?これは一体…私の体はどうなってしまったのか?

そんなところにテナさんが歩いてきて私を見下ろしている。うん?なんか変だな?どうしてこんなにテナさんが大きく見えるのだろうか?

テナ「こんなところに落ちてた…恥ずかしいなぁ…もう…」

テナさんは私を掴むと無理やり頬を引っ張る。むむ!?頬ではない。両端だ。私はここでようやく認識したのだ。

私はなんということかよりにもよってパンツへ転生してしまったらしい。なぜだろうか?

そういえばリビングに来る時に滑って転んだのだった。そして自称『神様』にこんなことを言われたのだった。

神様「わしは神じゃ。お主は今死んだ。だからすぐに転生させてやろう。何になりたい?」

私は悩んだ。お金持ちに生まれたかったがまた子供の頃から人生をやり直すのは面倒くさい。人間以外の何かになりたかった。かと言って弱肉強食の動物の世界は嫌だ。

もっとのんびりと過ごせるもの…それは…

「そうだ!テナさんのパンツになりたいです!!」

神様「は?」

「いや、神様が聞き直すなって…テナさんのパンツ!私はテナさんのパンツに転生して一生テナさんと生きることにする!」

神様「そんなもんでよかろうもん?」

「なんで九州男児に?」

神様「まぁ、お主が望むならそのテナさんとやらのパンツにしてやろう。チンチンブラブラピタンピタン!!」

ギョッギョッギョッ!

ということでテナさんのパンツになったのだった。

テナ「突然消えたから不思議だったんだよね…誰も見てないよね?」

テナさんは私を広げると片足を通す。おお!テナさんもしかして…ノーパン!?

な、ななななんということだ。私は遂に憧れのテナさんのパンツになってあの部分へ密着するのだ。

おおおおおおおおいっ!!

「…おい」

遂にテナさんが…ふがあぁぁぁぁ!!

「おいってば!おい!」

テナさぁぁぁん…!!

「しっかりしろ!大丈夫かお!?」

なんだ?なんか視界が揺れて…。

目を覚ますと目の前にテトがいた。

テト「大丈夫かお!?」

「え?テナさんのパンツは?」

テト「は?君大丈夫かお?頭打ったのか?」

「え?私はテナさんのパンツだが?」

テナ「え?何を仰ってるんですか?」

「あれ?テナさん?あれ?テトさん?あれ?私は誰?あれ?夢だったの??」

テト「君ってやつは…まさか、お姉ちゃんのパンツになる夢を見ていたのかお?」

テナ「ははは、まさか…テトったら!」

テナさんのパンツに転生する夢を見ていたのだった…。夢だったのか…ガッカリ。

テナさんは可愛い!


-クレジット-

重音テナ、重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

脱衣用パンツセット v0.5…KEITEL様

クリスマス部屋…~白~様

 

3.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

伝説の白い鹿を探しに宮城県牡鹿半島にやってきた私とテトはとうとうその入口に差し掛かるが目の前に広がる絶景に感動を覚えた。テンション爆上げの二人が向かう先には…?


 

ひたすら林道を歩く。本当にこの先に白い鹿はいるのだろうか?ここまで来て何もなかったら…などと少し不安になりつつも穏やかな波音と爽やかな空気にそれでもいいかと感じていた。

テト「おい!何か見えてきたお!!」

「ほ、本当だ…てかさ…デカくね!?」

我々の目の前に現れたのは紛れもなく白い鹿…しかしその姿は遥かに想像していたよりも巨大だった。

遂にその姿を拝見することができた。これは…凄いぞ!!

何がって…その大きさだ。

テト「すごいおー!大きいおーっ!」

身長158センチくらいのテトと並ぶとその大きさがわかる。しかし青い空に映えるなぁ~この非日常的な風景に思わずため息が漏れる。

海側と山側ではまた表情が変わる。その白い体はとても綺麗で放置されていたとも思えない。きちんと管理されているのかも。まるで生きてるかのような表情の変化に驚いた。

テト「この鹿は遥か遠くからやってきたのかお?」

「うん、故郷は瀬戸内海にある犬島と書いてあるね。犬島といえば廃墟マニアの聖地みたいなものだな。鹿は遥か故郷の空を眺めてるんだって。故郷かぁ…人も旅をするからね。なんか感慨深いものがあるよ」

テト「ボクらも結構旅をしたよな」

「そうだね。まさかテトさんとこうして旅をするなんて夢にも思わなかったけどね」

テト「奇遇な出会いだお」

人は人生という長い旅をしている。その中で人と出会い別れて今日まで生きている。旅とはなんだろう?ふとその旅路の中で足を止めて後ろを振り返ってみる。

いや、私はずっと後ろばかり見ていたのではないだろうか?過去に出会った優しい人達…もう二度と会うこともない人達…人生は一期一会なのだ。その中で今でも身近にいてくれる人がいたら大切にするべきなんだろうけど。

私は得る事を恐れている。それは得てしまったら必ず失ってしまうからだ。失うショックを考えたら…ね。私はまだそれを受け入れる強さを手に入れていないのだ。

テト「また回想に浸ってるな?」

「お?おん」

テト「何を考えていたお?」

「ああ…まぁ、過去のことかな。忘れられないことや覚えてるんだけど思い出せないことや」

テト「ふぅん。君はいつも重要な事を忘れていたよな。大切な人の名前や出会った場所とか(テトテト散歩~哀愁釜石編にて)」

「その一つ一つを鮮明に覚えていたらきっと抱えきれないだろうね。単純に生きることだけを考えたら淘汰していかないと不安の中でしか生きられなくなるよ」

テト「あの時にも言ったお?過去も大切だけど君はこれから今を積み重ねていくって。ボクらの旅はまだ始まったばかりだお。これまでの君よりもこれからの君が未来の君にどう思ってもらえるかが大事なんだお。今を生きるんだお」

「そうだね。その未来の私の隣にテトさんがいてくれたら嬉しいよ」

テト「ボクはずっといるお。君が必要としているのなら」

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

レンズゴースト…ビームマンP様


リボン・アート・フェスティバル

https://www.reborn-art-fes.jp/