【ボカロな日常】パンツはつらいぜよ

私はなぜか床に寝ていた。天井が見える。ああ、起きるかと身を起こそうとするが全く動かない。

うむむ?これは一体…私の体はどうなってしまったのか?

そんなところにテナさんが歩いてきて私を見下ろしている。うん?なんか変だな?どうしてこんなにテナさんが大きく見えるのだろうか?

テナ「こんなところに落ちてた…恥ずかしいなぁ…もう…」

テナさんは私を掴むと無理やり頬を引っ張る。むむ!?頬ではない。両端だ。私はここでようやく認識したのだ。

私はなんということかよりにもよってパンツへ転生してしまったらしい。なぜだろうか?

そういえばリビングに来る時に滑って転んだのだった。そして自称『神様』にこんなことを言われたのだった。

神様「わしは神じゃ。お主は今死んだ。だからすぐに転生させてやろう。何になりたい?」

私は悩んだ。お金持ちに生まれたかったがまた子供の頃から人生をやり直すのは面倒くさい。人間以外の何かになりたかった。かと言って弱肉強食の動物の世界は嫌だ。

もっとのんびりと過ごせるもの…それは…

「そうだ!テナさんのパンツになりたいです!!」

神様「は?」

「いや、神様が聞き直すなって…テナさんのパンツ!私はテナさんのパンツに転生して一生テナさんと生きることにする!」

神様「そんなもんでよかろうもん?」

「なんで九州男児に?」

神様「まぁ、お主が望むならそのテナさんとやらのパンツにしてやろう。チンチンブラブラピタンピタン!!」

ギョッギョッギョッ!

ということでテナさんのパンツになったのだった。

テナ「突然消えたから不思議だったんだよね…誰も見てないよね?」

テナさんは私を広げると片足を通す。おお!テナさんもしかして…ノーパン!?

な、ななななんということだ。私は遂に憧れのテナさんのパンツになってあの部分へ密着するのだ。

おおおおおおおおいっ!!

「…おい」

遂にテナさんが…ふがあぁぁぁぁ!!

「おいってば!おい!」

テナさぁぁぁん…!!

「しっかりしろ!大丈夫かお!?」

なんだ?なんか視界が揺れて…。

目を覚ますと目の前にテトがいた。

テト「大丈夫かお!?」

「え?テナさんのパンツは?」

テト「は?君大丈夫かお?頭打ったのか?」

「え?私はテナさんのパンツだが?」

テナ「え?何を仰ってるんですか?」

「あれ?テナさん?あれ?テトさん?あれ?私は誰?あれ?夢だったの??」

テト「君ってやつは…まさか、お姉ちゃんのパンツになる夢を見ていたのかお?」

テナ「ははは、まさか…テトったら!」

テナさんのパンツに転生する夢を見ていたのだった…。夢だったのか…ガッカリ。

テナさんは可愛い!


-クレジット-

重音テナ、重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

脱衣用パンツセット v0.5…KEITEL様

クリスマス部屋…~白~様

 

3.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

伝説の白い鹿を探しに宮城県牡鹿半島にやってきた私とテトはとうとうその入口に差し掛かるが目の前に広がる絶景に感動を覚えた。テンション爆上げの二人が向かう先には…?


 

ひたすら林道を歩く。本当にこの先に白い鹿はいるのだろうか?ここまで来て何もなかったら…などと少し不安になりつつも穏やかな波音と爽やかな空気にそれでもいいかと感じていた。

テト「おい!何か見えてきたお!!」

「ほ、本当だ…てかさ…デカくね!?」

我々の目の前に現れたのは紛れもなく白い鹿…しかしその姿は遥かに想像していたよりも巨大だった。

遂にその姿を拝見することができた。これは…凄いぞ!!

何がって…その大きさだ。

テト「すごいおー!大きいおーっ!」

身長158センチくらいのテトと並ぶとその大きさがわかる。しかし青い空に映えるなぁ~この非日常的な風景に思わずため息が漏れる。

海側と山側ではまた表情が変わる。その白い体はとても綺麗で放置されていたとも思えない。きちんと管理されているのかも。まるで生きてるかのような表情の変化に驚いた。

テト「この鹿は遥か遠くからやってきたのかお?」

「うん、故郷は瀬戸内海にある犬島と書いてあるね。犬島といえば廃墟マニアの聖地みたいなものだな。鹿は遥か故郷の空を眺めてるんだって。故郷かぁ…人も旅をするからね。なんか感慨深いものがあるよ」

テト「ボクらも結構旅をしたよな」

「そうだね。まさかテトさんとこうして旅をするなんて夢にも思わなかったけどね」

テト「奇遇な出会いだお」

人は人生という長い旅をしている。その中で人と出会い別れて今日まで生きている。旅とはなんだろう?ふとその旅路の中で足を止めて後ろを振り返ってみる。

いや、私はずっと後ろばかり見ていたのではないだろうか?過去に出会った優しい人達…もう二度と会うこともない人達…人生は一期一会なのだ。その中で今でも身近にいてくれる人がいたら大切にするべきなんだろうけど。

私は得る事を恐れている。それは得てしまったら必ず失ってしまうからだ。失うショックを考えたら…ね。私はまだそれを受け入れる強さを手に入れていないのだ。

テト「また回想に浸ってるな?」

「お?おん」

テト「何を考えていたお?」

「ああ…まぁ、過去のことかな。忘れられないことや覚えてるんだけど思い出せないことや」

テト「ふぅん。君はいつも重要な事を忘れていたよな。大切な人の名前や出会った場所とか(テトテト散歩~哀愁釜石編にて)」

「その一つ一つを鮮明に覚えていたらきっと抱えきれないだろうね。単純に生きることだけを考えたら淘汰していかないと不安の中でしか生きられなくなるよ」

テト「あの時にも言ったお?過去も大切だけど君はこれから今を積み重ねていくって。ボクらの旅はまだ始まったばかりだお。これまでの君よりもこれからの君が未来の君にどう思ってもらえるかが大事なんだお。今を生きるんだお」

「そうだね。その未来の私の隣にテトさんがいてくれたら嬉しいよ」

テト「ボクはずっといるお。君が必要としているのなら」

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

レンズゴースト…ビームマンP様


リボン・アート・フェスティバル

https://www.reborn-art-fes.jp/

2.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

ダイヤモンド日曜日を惰眠を貪ることで浪費していた私はふとしたことで牡鹿半島にいるという白い鹿の話を思い出した。早速テトと共にその場所へと向かうことにした。


テト「静かでいい場所だな。さて、ここからどこへ向かうんだ?」

「え…とそれが…よくわからないんだ」

テト「え?おいおい!ここまで来て迷子はあんまりだお!」

「いやぁ、予備知識ゼロで来ちゃったからね。車はここに停めて歩く必要があるみたいだよ」

「ほらほら!この先だよ!徒歩で7分だってさ!」

テト「でも誰もいないお…他に誰か来てる様子もないお」

「ん~もう展示が終わったとか?こういうイベントだといろいろと放置されてたりするし…」

そういえば最近『リボンアートフェスティバル』なんて芸術のイベントをやっていたのだ。牡鹿半島の至る所にアート作品が残されているのだが今は殆どが残骸と化している。もしかして白い鹿もそういうことになっている可能性も有り得る。

テト「本当にこの先でいいんだよな?」

「確かに不安になる道路…っていうかただの砂利道…こんなんはっきり言って予備知識がなかったら行きたいとは思えないよね…」

テト「でも冒険心をくすぐられるお!きっとこの先に白い鹿がいるお!レッツラゴーだお!」

テトは意気揚々と歩いていく。私はその背中を追って歩いていく。ふと周りを見回すとなかなか風光明媚な景色だ。

海水がとても綺麗だ。底まで見えている。まだ本格的に夏を迎える前で風も爽やかだ。穏やかな波音が心地よく耳に届きなんとなく休日感を高めてくれる。

いいな、休日って…これがずっと続いたら幸せなんだけどなぁ。毎日毎日…ん?それは無職ってやつか。

テト「なぁなぁ!」

「ん?どしたの?」

テト「なんかワクワクしてきたお!」

「え?なんで?どうして?」

テト「だってここまで来るのにこんなにいい風景にめぐり逢えたんだお!きっとこの先にもっとビックリするものがあるお!」

「そうだね。なんか本当にいいよねぇ…。こうして周りの景色を眺めて感動したり、気分が高揚するなんて最近なかったからね。旅っていいよなぁ~」

そうだ。まだ私は人生という旅の終着点はまだわからないんだ。先を知ったつもりになって歩みを止めていたけど、本当は知ったつもりの先にびっくりするようなものがあるのかもしれないのだ。

テト「早く行こうお~!」

「おっといけない…思わず回想モードになってしまった!しかし…結構歩いてきたけどまだそれらしい場所に着かないね」

テト「あっるこ~あっるこ~わたしっは元気~♪」

「本当に元気だなぁ!あと少しだ」

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

 

1.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

初夏頃の話。

私はいつもの如くダイヤモンド日曜日を惰眠を貪ることで浪費していた。

「あ~いくら寝てもねみぃ…」

創作意欲もかき立てられることなく窓から流れてくる風に揺らぐカーテンを見つめていた。ぼんやりした頭を搔きながらリビングに降りていくとテトがいた。

テト「おい、もう昼だぞ!」

「いや~普段の労働で疲れててね…」

テト「君はいつも疲れっぱなしなんだな…ドラマ観ながらも寝てたろ?」

「ああ、草なぎ剛主演の『ペペロンチーノ』ね。途中までは観てたんだけどなぁ…」

テト「まったく…ラストはなかなか感動の展開だったお」

「感動か…そういえばあのドラマって牡鹿半島で撮影されたんだよね?」

そう、最後の舞台となった主人公のお店『パラディソ』は牡鹿半島が舞台だった。そして牡鹿半島には白い鹿がいるという話。

テナ「それ私も聞いたことあるよ」

「おお、テナさん!」

テナ「遠い島からずっと旅をしてきて今は誰も来ない半島で遠い故郷の空を眺めて佇んでるんだって」

テト「ロマンチックだお!」

「そうそう、なんかロマンチックだよねぇ。私も噂には聞いていたのだがなかなか行く機会が無くてね…」

テト「で?その白い鹿を探しに行くのか?」

「当然!テトさんも行くよね?」

テト「お、行くお!」

「テナさんは?」

テナ「私はすることがあるから二人で行ってください」

「…そっか」

こうしてまた家を飛び出し向かったのは宮城県の先端『牡鹿半島』だ。

牡鹿半島は宮城県屈指の自然豊かで人気の観光スポットだ。島にはいくつかの漁村(?)が存在しておりそれらを巡るのも楽しいし、なんと言っても目玉は半島を縦断するコバルトラインは走り屋に大人気のドライブコースとなっている。

牡鹿半島からの『万石浦』の眺望は最高だ。激しいアップダウンとタイトなカーブは車を運転する楽しさを与えてくれる反面事故のリスクもあるために安全運転で目的地に向かう。

着いたのはとある港。

テト「水が綺麗だお!」

「人家が少なくて生活用水を垂れ流しする量が少ないから汚染されてないんだろうね」

テト「君って時々いやらしい言い回しするよな…」

「まぁ、半分事実でしょ?んでこの港から徒歩で行くと白い鹿に逢えるらしいよ」

テト「ふーん…本当に何もないんだな…」

テトは辺りを見回しながら時々海を見ては泳いでる魚を指差した。あれ?なんだろう…この感覚…ずっと昔にこんな気持ちを感じたことがある。

そういえば私は幼少の頃にこういう港町で育ったのだった。周りにはいつも酒臭くしているおじさん達がいたなぁ。なんでふと思い出したのだろうか?ここは初めてきた場所なのにやたら懐かしく感じた。


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

3.テトテト散歩~塩竈散策編

~前回のあらすじ~

マグロ丼を食べたくて塩竈にやってきたが回想に耽りなかなかマグロ丼にありつけない。いよいよもって本格的にマグロ丼を捜索に歩き始めたのだった。


テト「マグロ丼あったお!!」

「って早い!!まだ散策も何もしてないのに…」

価格を見るとひじょ~に安い!!てっきり2500円はするものだと思っていた。牛丼よりもちょっと値が張るくらいだがこのくらいなら本当に安い。

しかし…一応タイトルに散策編と銘打ってるのでこんなに早く見つかるとは想定していなかった。なんというか…撮れ高的にどうなのかなっていう。

テト「お昼なのに全然混雑してないお!食べるなら今のうちだお」

「う~ん…でもこれって安過ぎないかな?マグロ丼ってもっと高いイメージがあるんだけど…」

テト「君って本当に優柔不断というかボクはここがピンと来たお!」

「とか言いながら暑い中歩きたくないって顔してるけど…」

テト「そ、そんなことないお!早く食べるお!」

というわけで我々はここ

『塩竈まぐろ直売、食堂』さんにお邪魔しました。

店に入るとテーブル席は満席でカウンターに通された。店内はそんなに広くはない。中では物販もやっていてスーパーじゃ考えられないくらいの量がとても安く販売されている。

迷わず注文したのは『仲買丼大盛り』である。マグロのすき身と刺身、イクラが乗ってるお得な丼。楽しみだ。

注文してから3分も待たない内に着丼。早い!!

おお!!価格に見合わない量と彩り!!大量のワサビがいいね。

テト「びっくりだお!すごくボリューミーだお!」

結構刺身も大きく厚みもある。イクラがキラキラ輝いててちょっとお洒落な感じで映える。そしてマグロを一口…

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美味しい!豊かな旨味が口の中に広がる!さすがマグロの町塩竈だ!こんなに美味しいマグロ丼が1000円ちょいで食べられるなんて感動ものじゃないか!

お吸い物はマグロのつみれが入ったシンプルなものだ。どれどれ…うむむ!

なんという香りと濃厚な味わいなんだろう!?私の語彙力では上手く表現出来ないが一言で言えば…美味い!!

なんか1000円ちょいでこんなにいい思いして贅沢な気がする…。

あっという間に完食し店を出た。

テト「美味しかったお~!」

「いや、本当に美味しかったねぇ。こんなファーストフード感覚でマグロ丼を食べることが出来るんだねぇ。さすが塩竈だよ!」

テト「駅から徒歩2分だなんて近いお!」

「そうだねぇ…なんか波乱万丈な旅になると思いきやあっという間に目的を完遂してしまって…撮れ高が…」

テト「じゃあその辺歩くお」

テト「酒蔵があるお」

「うん、これは佐浦の酒蔵だねぇ。浦霞っていう酒はとても有名だよ。まぁ、私は飲めないので味の批評はしづらいけど…塩竈に来たらマグロの刺身をあてにして浦霞を味わうのが至高かな」

テト「ほう、じゃあマグロ丼を食べながら飲んだらよかったじゃないか」

「それだと飲酒運転になっちゃうでしょ!飲酒運転ダメ!絶対!」

テト「冗談だお。それにしてもここまで来ると港町って雰囲気じゃないお」

「そうだねぇ…昔はこの辺も栄えてたんだけど今じゃ見る影もないな…。でもこの辺にはお洒落な喫茶店があったり…新しいジェラート屋さんも出来たんだよ。あまり知られてはいないけど足を運んでみれば面白い発見があるよ」

テト「ふーん。お、なんかいい感じのお店があるお!」

「本当だ。こんなお店あったのかなぁ…全然気付かなかったよ」

テト「見慣れた町でもゆっくり散歩していくと新しい発見があるんだお」

「いやぁ、本当にそうだねぇ。車を使って早く移動するとあっという間に通り過ぎちゃって見落としたりするからねぇ。たまにこうやって周りの景色を見ながら歩くのも悪くはないな」

テト「そうだお!だから~少し寄ってこ♪」

差し出されたテトの手を見る。テトは本当に可愛い。直接は言わないけど、本当に可愛い。

塩竈はとても面白い所だ。もっと散歩したいな。

 

終わり


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様


あとがき

いやぁ、全3話という短い散歩いかがでしたか?

写真点数も少なくて時間も無くて(笑)なんとかツギハギして作りました。震災の話は蛇足感は否めませんが…もっともっとテトの写真を撮影したかったのですが、暑さと過労で早々とノックダウンしてしまいました。

マグロ丼は本当に美味しかったです。ファーストフード感覚で手頃な値段でマグロ丼を味わえるのは塩竈ならではの体験でした。

さて、過去にもたくさん散歩してるんですがまだまだ編集が追いつかずお蔵入りになってます。早く引き出して公開にこぎ着けたいのですが長時間労働に蝕まれているので編集には膨大な時間を要します。気長に待っていただければ幸いでございます。

それではまた!!