カテゴリー: テトテト散歩

5.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

ドラマ『ペペロンチーノ』の舞台となった建物を発見した我々は辺りを散策し様々な思いを馳せるが私はドラマを観ていないせいで感動は薄かった…。


テト「さてと、これからどうするお?」

「そうだなぁ…日が落ちて来る前に帰ろうか。テナさんも待ってることだし…」

テト「うん。お姉ちゃんに見せる写真を撮るお」

私とテトは景色の撮影を始める。

パシャ!

パシャ!

テト「これを…こうして…」

んん…何となくいい写真が撮れる予感がするぞ。おもむろにテトに近付きしゃがみ込む。

「おお!?なんという絶景!!」

私の目の前には秘密の花園が存在していた。なんたる素晴らしい景色だろうか!!

 

テト「こらーっ!!何を撮ってるお!?」

「いや…なんか素晴らしい景色が広がっていたもので…つい…」

テト「あとで痛い目に合わせるお!!」

「ん?ちょっと待って!なんか洞窟あるぞ!?」

テト「本当だお…なんか怖いお」

洞窟は建物のすぐ近くにあった。何となく鬱蒼としていて気味が悪い。ちょっと近くまで行ってみるか。

テト「入るのかお?」

「いや、やめとく。さすがになんの装備も無しに洞窟に入るのは危険だし何よりも…ゲジゲジとかカマドウマとかたくさん居そうじゃん!!」

テト「君はあれがすごく嫌いだものな」

「好きな人なんていないでしょ!?あんなベスト・オブ・グロテスクな虫を好きな物好きなんているわけが無い!!」

ゲジゲジもカマドウマもはっきり言えば人類には害は無い。むしろゴキブリなどの害虫を食べてくれるので益虫でもあるのだがビジュアルがもう気持ち悪くてダメなのだ。残念ながら洞窟探検は諦めて車に戻ることにした。

テト「戻ってきたぞ」

「ちょっとした探検だったね。とてもいい旅だったよ」

テト「貴重な人生の一日を無駄にしなくてすんだな」

「そりゃあね。さて、帰りはコバルトラインでブイブイ言わせて帰りますか」

テト「おおー!」

「いい景色だねぇ」

我々はコバルトラインの展望駐車場へとやってきた。

テト「せめてもっと天気が良ければよかったお」

「でも日が沈みかけた海も好きだけどね。なんか今日が終わっていくという物寂しい感じが好きだな」

テト「そうかお?」

「それにしても…」

「こんな景色がいいところまでソーラーパネルあるんだね…」

テト「はは…それは仕方ないお…」

「いつかは日本はソーラーパネルに覆われてしまうのかねぇ…」

テト「それまで君が生きてるとは思えないお」

「酷いな…!」

テト「まぁまぁ、またいつかここに来るお!」

「そうだね。今度は大切な人と…」

テト「ボクは大切じゃないかお!?」

「いやいや!そんなことないよ!!はは…」

こうして我々は牡鹿半島を満喫してのであった。伝説の白い鹿は確かに存在して宮城より遥か遠くの故郷の空を眺めていた。

なんとなく人生は旅なのだと自分と重ねて見てしまった。これから本格的な夏がやってくる日の休日だった。

 

終わり


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様


 

「あのさ…」

テト「何かお?」

「いや、あえて記事には書かなかったんだけど…あの駐車場って車両炎上か何かあったんじゃないの?」

テト「なんかそういう跡があったお…何も言わなかったけど…」

「だよねぇ…なんまいだー!」

 

さて!次の旅はどんな旅になるのかな?

4.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

遂に白い鹿を見つけた私とテト。その大きさと躍動感は想像を超えるものであった。しばらく辺りを散策しているとそこには…。


テト「あれってもしかして…?」

「おお!これはあのドラマで舞台となった『パラディソ 』だよ!!」

テト「だよな!?この場所にあったのかぁ~」

そう、これはあの草なぎ剛主演のドラマ『ペペロンチーノ』で最後の舞台となった店『パラディソ』なのだ。もっとも私は寝落ちして最後まで観ていないのだが…。

テト「あの最後は感動的だったお!意外な展開で驚いたお!」

「へぇ~、そうなんだ…」

店はまだ中に什器が残されているがなんとなく廃墟っぽい。まだイベントで使用するのだろうか?でも綺麗な状態なので誰かがきちんと管理しているのかもしれない。

それともこのまま時と共に朽ち果てていくのだろうか?案外ここで喫茶店でも開けば…などと素人の考えを起こすがよくよく考えてみれば常連はつかめないし何かと経費もかかる。この場所はとてもいい所だけにいろいろと残念な部分もある。

テト「今は誰もいないけど以前はたくさんの人が来たと思うと不思議だお」

「そうだねぇ、栄枯盛衰って感じるけどいろいろと思うことはあるね。ここでどれだけの人が食事と風景を楽しみ思い出を作っていったんだろうね…すごくいい場所だと思うよ」

誰もいなくなって、誰も訪れなくなって時間と共に無くなっていくものでも人々の記憶にはきちんと刻まれているのだ。家族と、友達と、恋人と…訪れた思い出の場所。

なんとなくそういうところにロマンを感じるなぁ。

テト「ここから見える景色もいいお!」

「なんとなくもの悲しげな雰囲気がいいよね」

テト「で、君は今日という日をどう思ったのかお?」

「ん?というと?」

テト「今日は君の人生で一度しかない日だお。あのまま惰眠を貪っていたらなんでもない1日だったお」

「うん、そうだね。どういうわけかこんな遠い所まで来てしまったんだ」

テト「ボクたちの旅はいつも突発的だお。思い立ったが吉日だお」

「ははは、違いないね。こんな晴れた日に一日中寝てるのもね。普段からこうやって動けたらいいんだけど…」

テト「まだ頑張れるお!もっと旅をして心のパワーを手に入れるお!」

「ああ、旅をして『心 』を見つけていくってすごく大事だと思うよ。自分が何者なのか自分自身と見つめ合うんだ。普段は誰かと一緒にいて、無意識にその誰かから見た自分を演じてるんじゃないかなって、思う時がある。本当の自分らしさってなんだろうって…」

テト「忘れっぽくてすぐにセンチメンタルに浸ってしまうのが君らしく思えるお」

「おいおい…!まぁ確かに忘れっぽいのはあるけどそれは性質だからなぁ!」

静かな波音が心に染みる。この穏やかな時間をずっと忘れずに鮮明に心に刻んでおけたらどんなにいいことだろう。どんなに素晴らしい思い出でも時が経てば色褪せて淡くなっていく。懐かしいって気持ちは人生の宝物なのかもしれない。いつかはその思い出だけに浸って夕日が沈む海を眺めることもあるのだろうか。

この時間がもっともっと続けばいいのに…。


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

WorkingFloorALv0.0.6…針金様

3.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

伝説の白い鹿を探しに宮城県牡鹿半島にやってきた私とテトはとうとうその入口に差し掛かるが目の前に広がる絶景に感動を覚えた。テンション爆上げの二人が向かう先には…?


 

ひたすら林道を歩く。本当にこの先に白い鹿はいるのだろうか?ここまで来て何もなかったら…などと少し不安になりつつも穏やかな波音と爽やかな空気にそれでもいいかと感じていた。

テト「おい!何か見えてきたお!!」

「ほ、本当だ…てかさ…デカくね!?」

我々の目の前に現れたのは紛れもなく白い鹿…しかしその姿は遥かに想像していたよりも巨大だった。

遂にその姿を拝見することができた。これは…凄いぞ!!

何がって…その大きさだ。

テト「すごいおー!大きいおーっ!」

身長158センチくらいのテトと並ぶとその大きさがわかる。しかし青い空に映えるなぁ~この非日常的な風景に思わずため息が漏れる。

海側と山側ではまた表情が変わる。その白い体はとても綺麗で放置されていたとも思えない。きちんと管理されているのかも。まるで生きてるかのような表情の変化に驚いた。

テト「この鹿は遥か遠くからやってきたのかお?」

「うん、故郷は瀬戸内海にある犬島と書いてあるね。犬島といえば廃墟マニアの聖地みたいなものだな。鹿は遥か故郷の空を眺めてるんだって。故郷かぁ…人も旅をするからね。なんか感慨深いものがあるよ」

テト「ボクらも結構旅をしたよな」

「そうだね。まさかテトさんとこうして旅をするなんて夢にも思わなかったけどね」

テト「奇遇な出会いだお」

人は人生という長い旅をしている。その中で人と出会い別れて今日まで生きている。旅とはなんだろう?ふとその旅路の中で足を止めて後ろを振り返ってみる。

いや、私はずっと後ろばかり見ていたのではないだろうか?過去に出会った優しい人達…もう二度と会うこともない人達…人生は一期一会なのだ。その中で今でも身近にいてくれる人がいたら大切にするべきなんだろうけど。

私は得る事を恐れている。それは得てしまったら必ず失ってしまうからだ。失うショックを考えたら…ね。私はまだそれを受け入れる強さを手に入れていないのだ。

テト「また回想に浸ってるな?」

「お?おん」

テト「何を考えていたお?」

「ああ…まぁ、過去のことかな。忘れられないことや覚えてるんだけど思い出せないことや」

テト「ふぅん。君はいつも重要な事を忘れていたよな。大切な人の名前や出会った場所とか(テトテト散歩~哀愁釜石編にて)」

「その一つ一つを鮮明に覚えていたらきっと抱えきれないだろうね。単純に生きることだけを考えたら淘汰していかないと不安の中でしか生きられなくなるよ」

テト「あの時にも言ったお?過去も大切だけど君はこれから今を積み重ねていくって。ボクらの旅はまだ始まったばかりだお。これまでの君よりもこれからの君が未来の君にどう思ってもらえるかが大事なんだお。今を生きるんだお」

「そうだね。その未来の私の隣にテトさんがいてくれたら嬉しいよ」

テト「ボクはずっといるお。君が必要としているのなら」

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

レンズゴースト…ビームマンP様


リボン・アート・フェスティバル

https://www.reborn-art-fes.jp/

2.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

~前回のあらすじ~

ダイヤモンド日曜日を惰眠を貪ることで浪費していた私はふとしたことで牡鹿半島にいるという白い鹿の話を思い出した。早速テトと共にその場所へと向かうことにした。


テト「静かでいい場所だな。さて、ここからどこへ向かうんだ?」

「え…とそれが…よくわからないんだ」

テト「え?おいおい!ここまで来て迷子はあんまりだお!」

「いやぁ、予備知識ゼロで来ちゃったからね。車はここに停めて歩く必要があるみたいだよ」

「ほらほら!この先だよ!徒歩で7分だってさ!」

テト「でも誰もいないお…他に誰か来てる様子もないお」

「ん~もう展示が終わったとか?こういうイベントだといろいろと放置されてたりするし…」

そういえば最近『リボンアートフェスティバル』なんて芸術のイベントをやっていたのだ。牡鹿半島の至る所にアート作品が残されているのだが今は殆どが残骸と化している。もしかして白い鹿もそういうことになっている可能性も有り得る。

テト「本当にこの先でいいんだよな?」

「確かに不安になる道路…っていうかただの砂利道…こんなんはっきり言って予備知識がなかったら行きたいとは思えないよね…」

テト「でも冒険心をくすぐられるお!きっとこの先に白い鹿がいるお!レッツラゴーだお!」

テトは意気揚々と歩いていく。私はその背中を追って歩いていく。ふと周りを見回すとなかなか風光明媚な景色だ。

海水がとても綺麗だ。底まで見えている。まだ本格的に夏を迎える前で風も爽やかだ。穏やかな波音が心地よく耳に届きなんとなく休日感を高めてくれる。

いいな、休日って…これがずっと続いたら幸せなんだけどなぁ。毎日毎日…ん?それは無職ってやつか。

テト「なぁなぁ!」

「ん?どしたの?」

テト「なんかワクワクしてきたお!」

「え?なんで?どうして?」

テト「だってここまで来るのにこんなにいい風景にめぐり逢えたんだお!きっとこの先にもっとビックリするものがあるお!」

「そうだね。なんか本当にいいよねぇ…。こうして周りの景色を眺めて感動したり、気分が高揚するなんて最近なかったからね。旅っていいよなぁ~」

そうだ。まだ私は人生という旅の終着点はまだわからないんだ。先を知ったつもりになって歩みを止めていたけど、本当は知ったつもりの先にびっくりするようなものがあるのかもしれないのだ。

テト「早く行こうお~!」

「おっといけない…思わず回想モードになってしまった!しかし…結構歩いてきたけどまだそれらしい場所に着かないね」

テト「あっるこ~あっるこ~わたしっは元気~♪」

「本当に元気だなぁ!あと少しだ」

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

 

1.テトテト散歩~伝説の白い鹿を探せ!牡鹿半島編

初夏頃の話。

私はいつもの如くダイヤモンド日曜日を惰眠を貪ることで浪費していた。

「あ~いくら寝てもねみぃ…」

創作意欲もかき立てられることなく窓から流れてくる風に揺らぐカーテンを見つめていた。ぼんやりした頭を搔きながらリビングに降りていくとテトがいた。

テト「おい、もう昼だぞ!」

「いや~普段の労働で疲れててね…」

テト「君はいつも疲れっぱなしなんだな…ドラマ観ながらも寝てたろ?」

「ああ、草なぎ剛主演の『ペペロンチーノ』ね。途中までは観てたんだけどなぁ…」

テト「まったく…ラストはなかなか感動の展開だったお」

「感動か…そういえばあのドラマって牡鹿半島で撮影されたんだよね?」

そう、最後の舞台となった主人公のお店『パラディソ』は牡鹿半島が舞台だった。そして牡鹿半島には白い鹿がいるという話。

テナ「それ私も聞いたことあるよ」

「おお、テナさん!」

テナ「遠い島からずっと旅をしてきて今は誰も来ない半島で遠い故郷の空を眺めて佇んでるんだって」

テト「ロマンチックだお!」

「そうそう、なんかロマンチックだよねぇ。私も噂には聞いていたのだがなかなか行く機会が無くてね…」

テト「で?その白い鹿を探しに行くのか?」

「当然!テトさんも行くよね?」

テト「お、行くお!」

「テナさんは?」

テナ「私はすることがあるから二人で行ってください」

「…そっか」

こうしてまた家を飛び出し向かったのは宮城県の先端『牡鹿半島』だ。

牡鹿半島は宮城県屈指の自然豊かで人気の観光スポットだ。島にはいくつかの漁村(?)が存在しておりそれらを巡るのも楽しいし、なんと言っても目玉は半島を縦断するコバルトラインは走り屋に大人気のドライブコースとなっている。

牡鹿半島からの『万石浦』の眺望は最高だ。激しいアップダウンとタイトなカーブは車を運転する楽しさを与えてくれる反面事故のリスクもあるために安全運転で目的地に向かう。

着いたのはとある港。

テト「水が綺麗だお!」

「人家が少なくて生活用水を垂れ流しする量が少ないから汚染されてないんだろうね」

テト「君って時々いやらしい言い回しするよな…」

「まぁ、半分事実でしょ?んでこの港から徒歩で行くと白い鹿に逢えるらしいよ」

テト「ふーん…本当に何もないんだな…」

テトは辺りを見回しながら時々海を見ては泳いでる魚を指差した。あれ?なんだろう…この感覚…ずっと昔にこんな気持ちを感じたことがある。

そういえば私は幼少の頃にこういう港町で育ったのだった。周りにはいつも酒臭くしているおじさん達がいたなぁ。なんでふと思い出したのだろうか?ここは初めてきた場所なのにやたら懐かしく感じた。


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3.テトテト散歩~塩竈散策編

~前回のあらすじ~

マグロ丼を食べたくて塩竈にやってきたが回想に耽りなかなかマグロ丼にありつけない。いよいよもって本格的にマグロ丼を捜索に歩き始めたのだった。


テト「マグロ丼あったお!!」

「って早い!!まだ散策も何もしてないのに…」

価格を見るとひじょ~に安い!!てっきり2500円はするものだと思っていた。牛丼よりもちょっと値が張るくらいだがこのくらいなら本当に安い。

しかし…一応タイトルに散策編と銘打ってるのでこんなに早く見つかるとは想定していなかった。なんというか…撮れ高的にどうなのかなっていう。

テト「お昼なのに全然混雑してないお!食べるなら今のうちだお」

「う~ん…でもこれって安過ぎないかな?マグロ丼ってもっと高いイメージがあるんだけど…」

テト「君って本当に優柔不断というかボクはここがピンと来たお!」

「とか言いながら暑い中歩きたくないって顔してるけど…」

テト「そ、そんなことないお!早く食べるお!」

というわけで我々はここ

『塩竈まぐろ直売、食堂』さんにお邪魔しました。

店に入るとテーブル席は満席でカウンターに通された。店内はそんなに広くはない。中では物販もやっていてスーパーじゃ考えられないくらいの量がとても安く販売されている。

迷わず注文したのは『仲買丼大盛り』である。マグロのすき身と刺身、イクラが乗ってるお得な丼。楽しみだ。

注文してから3分も待たない内に着丼。早い!!

おお!!価格に見合わない量と彩り!!大量のワサビがいいね。

テト「びっくりだお!すごくボリューミーだお!」

結構刺身も大きく厚みもある。イクラがキラキラ輝いててちょっとお洒落な感じで映える。そしてマグロを一口…

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美味しい!豊かな旨味が口の中に広がる!さすがマグロの町塩竈だ!こんなに美味しいマグロ丼が1000円ちょいで食べられるなんて感動ものじゃないか!

お吸い物はマグロのつみれが入ったシンプルなものだ。どれどれ…うむむ!

なんという香りと濃厚な味わいなんだろう!?私の語彙力では上手く表現出来ないが一言で言えば…美味い!!

なんか1000円ちょいでこんなにいい思いして贅沢な気がする…。

あっという間に完食し店を出た。

テト「美味しかったお~!」

「いや、本当に美味しかったねぇ。こんなファーストフード感覚でマグロ丼を食べることが出来るんだねぇ。さすが塩竈だよ!」

テト「駅から徒歩2分だなんて近いお!」

「そうだねぇ…なんか波乱万丈な旅になると思いきやあっという間に目的を完遂してしまって…撮れ高が…」

テト「じゃあその辺歩くお」

テト「酒蔵があるお」

「うん、これは佐浦の酒蔵だねぇ。浦霞っていう酒はとても有名だよ。まぁ、私は飲めないので味の批評はしづらいけど…塩竈に来たらマグロの刺身をあてにして浦霞を味わうのが至高かな」

テト「ほう、じゃあマグロ丼を食べながら飲んだらよかったじゃないか」

「それだと飲酒運転になっちゃうでしょ!飲酒運転ダメ!絶対!」

テト「冗談だお。それにしてもここまで来ると港町って雰囲気じゃないお」

「そうだねぇ…昔はこの辺も栄えてたんだけど今じゃ見る影もないな…。でもこの辺にはお洒落な喫茶店があったり…新しいジェラート屋さんも出来たんだよ。あまり知られてはいないけど足を運んでみれば面白い発見があるよ」

テト「ふーん。お、なんかいい感じのお店があるお!」

「本当だ。こんなお店あったのかなぁ…全然気付かなかったよ」

テト「見慣れた町でもゆっくり散歩していくと新しい発見があるんだお」

「いやぁ、本当にそうだねぇ。車を使って早く移動するとあっという間に通り過ぎちゃって見落としたりするからねぇ。たまにこうやって周りの景色を見ながら歩くのも悪くはないな」

テト「そうだお!だから~少し寄ってこ♪」

差し出されたテトの手を見る。テトは本当に可愛い。直接は言わないけど、本当に可愛い。

塩竈はとても面白い所だ。もっと散歩したいな。

 

終わり


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重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様


あとがき

いやぁ、全3話という短い散歩いかがでしたか?

写真点数も少なくて時間も無くて(笑)なんとかツギハギして作りました。震災の話は蛇足感は否めませんが…もっともっとテトの写真を撮影したかったのですが、暑さと過労で早々とノックダウンしてしまいました。

マグロ丼は本当に美味しかったです。ファーストフード感覚で手頃な値段でマグロ丼を味わえるのは塩竈ならではの体験でした。

さて、過去にもたくさん散歩してるんですがまだまだ編集が追いつかずお蔵入りになってます。早く引き出して公開にこぎ着けたいのですが長時間労働に蝕まれているので編集には膨大な時間を要します。気長に待っていただければ幸いでございます。

それではまた!!

2.テトテト散歩~塩竈散策編

~前回のあらすじ~

ダイヤモンド日曜日に惰眠を貪ることで無駄に過ごしていた私は空腹によって一念発起し塩竈へとマグロ丼を食べに行った。そこで現れたのは隠れてついてきたテトだった。


テト「それでどこに行くのかお?」

「そうだねぇ…まずはイオンで涼んでから…」

テト「全く君はだらしないなぁ。もうお昼も過ぎてしまうお!早く行くお!」

テトは駅の方に向かい歩き始めた。その後ろを仕方なくついていく。それにしても暑い…こうも暑いとラーメンとか食べる気しなくなる。と言っても冷やし中華とか好きじゃないんだよなぁ…。特別冷やし中華推しの店がない上にどこで食べても似たような味と盛り付けというのがわざわざ店で食べない理由かな。

テト「おお!あれ見ろ!」

「ん?なんだ?」

「おお、あれは東日本大震災の時の津波の到達した深さだね。ここはそんなに高い場所じゃないからこの高さまで来たんだね…怖いなぁ」

テト「運が悪ければ君もここにいたんだろ?」

「あの時はやばいと思ってたから山沿いを走ってきたんだよ。いつもの何倍もの時間がかかったけどね」

テト「こんな所まで来たんだお!」

「あの記憶は失われちゃいけないってことだね。あの時のことは今でも鮮明に覚えているよ。とても寒くてね」

塩竈も東日本大震災で甚大な被害を受けたのだ。震災中は食料を求めて右往左往したっけ…当然ここにも来たよ。

凄まじい光景だったな…。全てを飲み込み奪い去り破壊していった。私は何も出来なくて悔しかったよ。

全ての日常が崩壊して瓦礫の世界が広がり茫然と立ち尽くすしかなかった。もう前と同じ暮らしはできないと腹を括ったよ。

テト「君は乗り越えたのか?」

「ん?」

テト「あれから君は今日まで生きてきたんだろ?あの日に津波に命を奪われてしまった人達が生きたかった日々を今日まで生きてきたんだろ?」

「あの人達が…生きたかった10年か…そうだね。そう考えたらとてもかけがえのないものなんだねぇ…」

でも実際は火事場泥棒や強盗も多くて美談で済まされない部分もあったんだよなぁ…。そういう場面を沢山見てしまったから震災報道で『民度高い日本人に世界が賞賛!』なんて素直に観れなかった……。

テト「おお!ハトだお!」

「なんか寛いでるね。こんなに近くにいても微動だにせずいるとは…」

テト「鳩は平和の象徴だお」

「そうだね。この町もすっかり震災の爪痕も綺麗に直されて記憶の中から薄れつつあるのかもしれない。皮肉なことに復興が進めば進むほど人々の記憶から震災が消えていくのかもしれないな」

テト「ところでマグロ丼は?」

「あ、そうだ!マグロ丼!マグロ丼!!」

果たして我々はマグロ丼にありつけることが出来るのだろうか!?

 


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重音テト…ベ・ルル三錠様

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1.テトテト散歩~塩竈散策編

2021年。夏。

「あぢ~…」

外はすでに梅雨が明け初夏を過ぎて猛烈な熱波が襲っていた。待ってましたと言わんばかりに蝉が一斉に鳴き始め両耳の鼓膜をひたすら震わせていた。

私は暑さに項垂れていた。楽しいはずの休日もこうして何もせずに過ぎていくのは寂しいものだ。だが普段からの重労働によって疲労困憊な体を労うためにもぼんやりする時間も必要だろうとポジティブに捉えていた。

まだ半分目が覚めてない体を奮い立たせてベッドから起き上がる。リビングに行くとテトがいた。

テト「年明けまで寝ているつもりだったのかお?」

「いやぁ…さすがにこう暑くちゃ何にもしたくないよ…今にも溶けてしまいそうだよ」

テナ「なんにもしないことも立派な休日ですよね」

重音テナはテトの双子の姉。たまにテトに会いに来ている。普段は海外の戦場で医師として働いている。

「おお、テナさんは理解あるなぁ。そうだよ。休日だから遊ばなくてはならないということはないのだ。なんにもしないことも仕事の一つなのだ!」

テト「ほう~、だからって昼まで寝てることもないだろう」

「昼?」

ググ~…。

うむ、なんにもしなくとも腹が減ったぞ…なんか美味しいものを食べたいなぁ…。ふむ。

ふと思い出したのだが美味しいマグロ丼を食べたいと思った。最近はコンビニのおにぎりやカップ麺ばかりとかなり荒んだ食生活を送っていた。たまには新鮮な海産物を食べたいと思ったのだ。

思い立ったら吉日そそくさと準備をし意気揚々とハンドルを握り向かったのは宮城県塩竈市だ。塩釜と表記されることが多いが塩竈と書くし鹽竈とも書くらしい。いずれにしても難しい漢字だな。最近は『鬼滅の刃』で一瞬盛り上がったようだ。

さて、天候はまさにピーカンな空…日影がない…。気温もギュンギュン上がっている。

駅裏にはすぐにイオンタウンがある。こりゃあ一旦中に入って涼んでからにするかなぁ…私の車はエアコンが壊れているんだ。

??「よう!待っていたぞ!」

「なっ!?」

「テ、テトさん!?どうしてここに!?」

テト「君がなにやら企んでるようだから車の後ろに乗り込んでいたお」

「相変わらず行動が素早いなぁ…で?私はマグロ丼を食べに来たのだが…」

テト「もちろん君のおごりだろ?ボクがここまでついてきてあげたんだ。当然じゃないか、!君は天性の方向音痴だからな!ボクがいなきゃ家に帰れないだろ?」

「まぁ、やっぱりな…それでマグロ丼の店のリサーチを全くしてこなかったんだけど…」

テト「スマホで検索すればすぐに出てくるだろ?大体君はいつも何も考えないで飛び出すから現地で迷子になるんだお!」

「それじゃつまらないよ。ここまで来たんだからゆっくり散策して探すことにするよ。それに塩竈ならどこでも美味しいマグロが食べられるんじゃないかな?」

魚市場が近くにある港町塩竈ならではのものだ。

テト「それもそうだな…ボク達の旅はいつもこんな感じだお!」

こうして我々はマグロ丼を探す小さな旅を始めたのだった。

2.テトテト散歩~塩竈散策編へ続く


今回登場したスポット

塩竈市

イオンタウン塩釜

-クレジット-

重音テト、重音テナ…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様

【テトテト散歩】上品な珈琲ソフト

特に何の予定もない日曜日に無駄に早起きした。

これは習慣としか言わざるを得ない。

「腹減ったな…」

そこで向かったのは椿ラーメンショップ松山千石店の朝ラーメン。

岩海苔ラーメン…750円 ネギ丼…350円

朝からキリッと目が覚めるのだ。

朝6時33分から営業してるのも嬉しい。
実はここのラーショは私の自宅からは相当遠いのだが、旅気分を味わうためでもドライブがてらやってくるのだ。

さて、腹も満たされたしどうしようかなぁ??

ふと思い出したのが宮城でも人気が高い道の駅『上品の郷』だ。そこに向かおう!!

そこに何があるのか?

『※珈琲ソフト』である。

※2021年現在取り扱いしておりません…

他にも見所盛り沢山なのだが、今は単純にそれだけを食べたい!

高規格道路をビュンビュン飛ばし到着した頃には昼だった。

上品の郷は石巻の河北町に位置する。上品と書いて『じょうぼん』と読む。

特徴的なのは木組みの外壁と天井だ。この建築工法は震度7にも耐えうる耐震性を持っているそうだ。

コンビニ、お土産屋、レストラン、温泉を併設する大規模の道の駅なのである。


テト『よっ!待っていたぞ!』

「どわぁ!テトさん!?どうしてここに!?」

テト『実は後ろに乗ってきたんだ。君がコソコソと出かける準備してたからな!』

「はぁ…全ての行動は筒抜けだな…で、今回は珈琲ソフトを食べに来たのだが…」

テト『お金は君持ちな!』

「やっぱす…。」

テト『ところでこの道の駅はたくさんの人がいるな?』

「うん、ここはすごく人気が高いからね。店の中も魅力ある商品が盛り沢山だよ!早速入ってみよう!」


テト『本当だ!なんか美味しそうなのがたくさんだな!お酒もあるぞ!』

「道の駅の名前が入った瓶がオシャレだよね。他にもスイーツもあるよ!」

「あとは石巻の『風月堂』の変わり種アイスも人気だね!」


テト『花畑牧場とかあるぞ!?ミクも喜ぶな!』

「本当だ!なんか企画ものなのかな?テトさんは結構甘いのが好きなのかい?」

テト『フランスパンに塗ったりしたら美味しそうじゃないか』

「なるほど、そういう手でくるか!なかなかフランスパンに合いそう!」


テト『外には足湯があるんだな』

「うん、ここは温泉を併設している道の駅なんだ。ここ『ふたごの湯』は三陸でも随一の名湯なんだよ。鉄泉で貧血や肌荒れに効能があるとか。」

テト『そうなのか。君は入っていかないのか?』

「うん…実は休日料金は結構高くてね…。750円なんだ。(消費増税にて50円値上げした)」

テト『貧乏な君にとっては三日分のランチ代か…』

「そ、そうだね…三日分というか1週間分だよ。
たまに贅沢な休日で入るくらいかな!」


足湯…無料

テト『すごく温くて気持ちいいぞ!』

「テトさん足湯好きだよね?鳴子でも入ってたし。」

テト『ニーハイ履いてると結構締めつけられるんだお。疲れも溜まるからな』

「ほうほう、匂いとかも…」

テト『これ!匂いを嗅ぐな!君みたいに下品な匂いはしないけどな!』

「私なんか自慢じゃないけど秒速で臭くなるからね。」

テト『本当に自慢にもならないじゃないか…』


珈琲ソフト…350円 ⚠️現在取り扱いしていないようです…

「そして念願の珈琲ソフト!!
私はこれ大好きなんだよね。珈琲の苦味とソフトの甘さがお互いに引き立てあって絶妙な味わいなんだよね。」


テト『本当だ!これは美味しいお!』

「はは、気に入って貰えたようだね。
道の駅って楽しいでしょ?」

テト『うん、駅毎に特色があって面白いな!鯖だしラーメンとかも気になるお!』

「そ、それはまた今度かな…お金無いんだ…泣
またいつか来ようね!」

テト『うん!』

こうしてまったりとした日曜日を満喫したのだった。道の駅めぐりとか連休があればやってみたいねぇ。


モデル

重音テト…ベ・ルル三錠様

エフェクト…下っ腹P様