~前回のあらすじ~
ドラマ『ペペロンチーノ』の舞台となった建物を発見した我々は辺りを散策し様々な思いを馳せるが私はドラマを観ていないせいで感動は薄かった…。
テト「さてと、これからどうするお?」
「そうだなぁ…日が落ちて来る前に帰ろうか。テナさんも待ってることだし…」
テト「うん。お姉ちゃんに見せる写真を撮るお」
私とテトは景色の撮影を始める。
パシャ!
パシャ!
テト「これを…こうして…」
んん…何となくいい写真が撮れる予感がするぞ。おもむろにテトに近付きしゃがみ込む。
「おお!?なんという絶景!!」
私の目の前には秘密の花園が存在していた。なんたる素晴らしい景色だろうか!!
テト「こらーっ!!何を撮ってるお!?」
「いや…なんか素晴らしい景色が広がっていたもので…つい…」
テト「あとで痛い目に合わせるお!!」
「ん?ちょっと待って!なんか洞窟あるぞ!?」
テト「本当だお…なんか怖いお」
洞窟は建物のすぐ近くにあった。何となく鬱蒼としていて気味が悪い。ちょっと近くまで行ってみるか。
「いや、やめとく。さすがになんの装備も無しに洞窟に入るのは危険だし何よりも…ゲジゲジとかカマドウマとかたくさん居そうじゃん!!」
テト「君はあれがすごく嫌いだものな」
「好きな人なんていないでしょ!?あんなベスト・オブ・グロテスクな虫を好きな物好きなんているわけが無い!!」
ゲジゲジもカマドウマもはっきり言えば人類には害は無い。むしろゴキブリなどの害虫を食べてくれるので益虫でもあるのだがビジュアルがもう気持ち悪くてダメなのだ。残念ながら洞窟探検は諦めて車に戻ることにした。
テト「戻ってきたぞ」
「ちょっとした探検だったね。とてもいい旅だったよ」
テト「貴重な人生の一日を無駄にしなくてすんだな」
「そりゃあね。さて、帰りはコバルトラインでブイブイ言わせて帰りますか」
テト「おおー!」
「いい景色だねぇ」
我々はコバルトラインの展望駐車場へとやってきた。
テト「せめてもっと天気が良ければよかったお」
「でも日が沈みかけた海も好きだけどね。なんか今日が終わっていくという物寂しい感じが好きだな」
テト「そうかお?」
「それにしても…」
「こんな景色がいいところまでソーラーパネルあるんだね…」
テト「はは…それは仕方ないお…」
「いつかは日本はソーラーパネルに覆われてしまうのかねぇ…」
テト「それまで君が生きてるとは思えないお」
「酷いな…!」
テト「まぁまぁ、またいつかここに来るお!」
「そうだね。今度は大切な人と…」
テト「ボクは大切じゃないかお!?」
「いやいや!そんなことないよ!!はは…」
こうして我々は牡鹿半島を満喫してのであった。伝説の白い鹿は確かに存在して宮城より遥か遠くの故郷の空を眺めていた。
なんとなく人生は旅なのだと自分と重ねて見てしまった。これから本格的な夏がやってくる日の休日だった。
終わり
-クレジット-
重音テト…ベ・ルル三錠様
アニメ調シェーダー…KAYA様
「あのさ…」
テト「何かお?」
「いや、あえて記事には書かなかったんだけど…あの駐車場って車両炎上か何かあったんじゃないの?」
テト「なんかそういう跡があったお…何も言わなかったけど…」
「だよねぇ…なんまいだー!」
さて!次の旅はどんな旅になるのかな?