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3.テトテト散歩~塩竈散策編

~前回のあらすじ~

マグロ丼を食べたくて塩竈にやってきたが回想に耽りなかなかマグロ丼にありつけない。いよいよもって本格的にマグロ丼を捜索に歩き始めたのだった。


テト「マグロ丼あったお!!」

「って早い!!まだ散策も何もしてないのに…」

価格を見るとひじょ~に安い!!てっきり2500円はするものだと思っていた。牛丼よりもちょっと値が張るくらいだがこのくらいなら本当に安い。

しかし…一応タイトルに散策編と銘打ってるのでこんなに早く見つかるとは想定していなかった。なんというか…撮れ高的にどうなのかなっていう。

テト「お昼なのに全然混雑してないお!食べるなら今のうちだお」

「う~ん…でもこれって安過ぎないかな?マグロ丼ってもっと高いイメージがあるんだけど…」

テト「君って本当に優柔不断というかボクはここがピンと来たお!」

「とか言いながら暑い中歩きたくないって顔してるけど…」

テト「そ、そんなことないお!早く食べるお!」

というわけで我々はここ

『塩竈まぐろ直売、食堂』さんにお邪魔しました。

店に入るとテーブル席は満席でカウンターに通された。店内はそんなに広くはない。中では物販もやっていてスーパーじゃ考えられないくらいの量がとても安く販売されている。

迷わず注文したのは『仲買丼大盛り』である。マグロのすき身と刺身、イクラが乗ってるお得な丼。楽しみだ。

注文してから3分も待たない内に着丼。早い!!

おお!!価格に見合わない量と彩り!!大量のワサビがいいね。

テト「びっくりだお!すごくボリューミーだお!」

結構刺身も大きく厚みもある。イクラがキラキラ輝いててちょっとお洒落な感じで映える。そしてマグロを一口…

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美味しい!豊かな旨味が口の中に広がる!さすがマグロの町塩竈だ!こんなに美味しいマグロ丼が1000円ちょいで食べられるなんて感動ものじゃないか!

お吸い物はマグロのつみれが入ったシンプルなものだ。どれどれ…うむむ!

なんという香りと濃厚な味わいなんだろう!?私の語彙力では上手く表現出来ないが一言で言えば…美味い!!

なんか1000円ちょいでこんなにいい思いして贅沢な気がする…。

あっという間に完食し店を出た。

テト「美味しかったお~!」

「いや、本当に美味しかったねぇ。こんなファーストフード感覚でマグロ丼を食べることが出来るんだねぇ。さすが塩竈だよ!」

テト「駅から徒歩2分だなんて近いお!」

「そうだねぇ…なんか波乱万丈な旅になると思いきやあっという間に目的を完遂してしまって…撮れ高が…」

テト「じゃあその辺歩くお」

テト「酒蔵があるお」

「うん、これは佐浦の酒蔵だねぇ。浦霞っていう酒はとても有名だよ。まぁ、私は飲めないので味の批評はしづらいけど…塩竈に来たらマグロの刺身をあてにして浦霞を味わうのが至高かな」

テト「ほう、じゃあマグロ丼を食べながら飲んだらよかったじゃないか」

「それだと飲酒運転になっちゃうでしょ!飲酒運転ダメ!絶対!」

テト「冗談だお。それにしてもここまで来ると港町って雰囲気じゃないお」

「そうだねぇ…昔はこの辺も栄えてたんだけど今じゃ見る影もないな…。でもこの辺にはお洒落な喫茶店があったり…新しいジェラート屋さんも出来たんだよ。あまり知られてはいないけど足を運んでみれば面白い発見があるよ」

テト「ふーん。お、なんかいい感じのお店があるお!」

「本当だ。こんなお店あったのかなぁ…全然気付かなかったよ」

テト「見慣れた町でもゆっくり散歩していくと新しい発見があるんだお」

「いやぁ、本当にそうだねぇ。車を使って早く移動するとあっという間に通り過ぎちゃって見落としたりするからねぇ。たまにこうやって周りの景色を見ながら歩くのも悪くはないな」

テト「そうだお!だから~少し寄ってこ♪」

差し出されたテトの手を見る。テトは本当に可愛い。直接は言わないけど、本当に可愛い。

塩竈はとても面白い所だ。もっと散歩したいな。

 

終わり


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様


あとがき

いやぁ、全3話という短い散歩いかがでしたか?

写真点数も少なくて時間も無くて(笑)なんとかツギハギして作りました。震災の話は蛇足感は否めませんが…もっともっとテトの写真を撮影したかったのですが、暑さと過労で早々とノックダウンしてしまいました。

マグロ丼は本当に美味しかったです。ファーストフード感覚で手頃な値段でマグロ丼を味わえるのは塩竈ならではの体験でした。

さて、過去にもたくさん散歩してるんですがまだまだ編集が追いつかずお蔵入りになってます。早く引き出して公開にこぎ着けたいのですが長時間労働に蝕まれているので編集には膨大な時間を要します。気長に待っていただければ幸いでございます。

それではまた!!

2.テトテト散歩~塩竈散策編

~前回のあらすじ~

ダイヤモンド日曜日に惰眠を貪ることで無駄に過ごしていた私は空腹によって一念発起し塩竈へとマグロ丼を食べに行った。そこで現れたのは隠れてついてきたテトだった。


テト「それでどこに行くのかお?」

「そうだねぇ…まずはイオンで涼んでから…」

テト「全く君はだらしないなぁ。もうお昼も過ぎてしまうお!早く行くお!」

テトは駅の方に向かい歩き始めた。その後ろを仕方なくついていく。それにしても暑い…こうも暑いとラーメンとか食べる気しなくなる。と言っても冷やし中華とか好きじゃないんだよなぁ…。特別冷やし中華推しの店がない上にどこで食べても似たような味と盛り付けというのがわざわざ店で食べない理由かな。

テト「おお!あれ見ろ!」

「ん?なんだ?」

「おお、あれは東日本大震災の時の津波の到達した深さだね。ここはそんなに高い場所じゃないからこの高さまで来たんだね…怖いなぁ」

テト「運が悪ければ君もここにいたんだろ?」

「あの時はやばいと思ってたから山沿いを走ってきたんだよ。いつもの何倍もの時間がかかったけどね」

テト「こんな所まで来たんだお!」

「あの記憶は失われちゃいけないってことだね。あの時のことは今でも鮮明に覚えているよ。とても寒くてね」

塩竈も東日本大震災で甚大な被害を受けたのだ。震災中は食料を求めて右往左往したっけ…当然ここにも来たよ。

凄まじい光景だったな…。全てを飲み込み奪い去り破壊していった。私は何も出来なくて悔しかったよ。

全ての日常が崩壊して瓦礫の世界が広がり茫然と立ち尽くすしかなかった。もう前と同じ暮らしはできないと腹を括ったよ。

テト「君は乗り越えたのか?」

「ん?」

テト「あれから君は今日まで生きてきたんだろ?あの日に津波に命を奪われてしまった人達が生きたかった日々を今日まで生きてきたんだろ?」

「あの人達が…生きたかった10年か…そうだね。そう考えたらとてもかけがえのないものなんだねぇ…」

でも実際は火事場泥棒や強盗も多くて美談で済まされない部分もあったんだよなぁ…。そういう場面を沢山見てしまったから震災報道で『民度高い日本人に世界が賞賛!』なんて素直に観れなかった……。

テト「おお!ハトだお!」

「なんか寛いでるね。こんなに近くにいても微動だにせずいるとは…」

テト「鳩は平和の象徴だお」

「そうだね。この町もすっかり震災の爪痕も綺麗に直されて記憶の中から薄れつつあるのかもしれない。皮肉なことに復興が進めば進むほど人々の記憶から震災が消えていくのかもしれないな」

テト「ところでマグロ丼は?」

「あ、そうだ!マグロ丼!マグロ丼!!」

果たして我々はマグロ丼にありつけることが出来るのだろうか!?

 


-クレジット-

重音テト…ベ・ルル三錠様

アニメ調シェーダー…KAYA様