~前回のあらすじ~
ダイヤモンド日曜日を惰眠を貪ることで浪費していた私はふとしたことで牡鹿半島にいるという白い鹿の話を思い出した。早速テトと共にその場所へと向かうことにした。
テト「静かでいい場所だな。さて、ここからどこへ向かうんだ?」
「え…とそれが…よくわからないんだ」
テト「え?おいおい!ここまで来て迷子はあんまりだお!」
「いやぁ、予備知識ゼロで来ちゃったからね。車はここに停めて歩く必要があるみたいだよ」
「ほらほら!この先だよ!徒歩で7分だってさ!」
テト「でも誰もいないお…他に誰か来てる様子もないお」
「ん~もう展示が終わったとか?こういうイベントだといろいろと放置されてたりするし…」
そういえば最近『リボンアートフェスティバル』なんて芸術のイベントをやっていたのだ。牡鹿半島の至る所にアート作品が残されているのだが今は殆どが残骸と化している。もしかして白い鹿もそういうことになっている可能性も有り得る。
テト「本当にこの先でいいんだよな?」
「確かに不安になる道路…っていうかただの砂利道…こんなんはっきり言って予備知識がなかったら行きたいとは思えないよね…」
テト「でも冒険心をくすぐられるお!きっとこの先に白い鹿がいるお!レッツラゴーだお!」
テトは意気揚々と歩いていく。私はその背中を追って歩いていく。ふと周りを見回すとなかなか風光明媚な景色だ。
海水がとても綺麗だ。底まで見えている。まだ本格的に夏を迎える前で風も爽やかだ。穏やかな波音が心地よく耳に届きなんとなく休日感を高めてくれる。
いいな、休日って…これがずっと続いたら幸せなんだけどなぁ。毎日毎日…ん?それは無職ってやつか。
テト「なぁなぁ!」
「ん?どしたの?」
テト「なんかワクワクしてきたお!」
「え?なんで?どうして?」
テト「だってここまで来るのにこんなにいい風景にめぐり逢えたんだお!きっとこの先にもっとビックリするものがあるお!」
「そうだね。なんか本当にいいよねぇ…。こうして周りの景色を眺めて感動したり、気分が高揚するなんて最近なかったからね。旅っていいよなぁ~」
そうだ。まだ私は人生という旅の終着点はまだわからないんだ。先を知ったつもりになって歩みを止めていたけど、本当は知ったつもりの先にびっくりするようなものがあるのかもしれないのだ。
テト「早く行こうお~!」
「おっといけない…思わず回想モードになってしまった!しかし…結構歩いてきたけどまだそれらしい場所に着かないね」
テト「あっるこ~あっるこ~わたしっは元気~♪」
「本当に元気だなぁ!あと少しだ」
-クレジット-
重音テト…ベ・ルル三錠様
アニメ調シェーダー…KAYA様