上品の郷の珈琲ソフト

支那そばや石巻さんを後にした私は暇を持て余していた。
厳密に言うと暇ではなく結構やることが溜まっていはいるのだが、この日曜日を満喫しなければ勿体ないじゃないか!

とは言うものの…いざ休みとなると特にやることもないというか休み下手なんだよなぁ…。

何に対してもアグレッシブになりたいとは思うものの先立つものが無いのでネガティブになりがちだ。

そこで向かったのは石巻の河北町にある道の駅
『上品の郷』である。
上品と書いてじょうぼんと読むのだ。

私は度々この道の駅には訪れる。なんて言うのかなぁ、誰かがいる安心感?

ただ何となく皆が楽しんでいる場所に行きたいだけなのかもしれないな。

ここには温泉施設があるのだがこのコロナ禍の状況ではなかなかそんな気にはなれない。

まぁ、温泉に入ってゆっくりしたいという気持ちがないわけではないがここで万が一感染したら人生が詰んでしまいそうだ。

上品の郷の外には…正確にいえば休憩室みたいなものがあるのだがその中に道の駅カフェがある。

そこの珈琲ソフトが抜群に美味しくてこれを目当てにやってくるのだ。

散々語ったが珈琲ソフトが食べたいだけだ。

コクのあるソフトクリームに苦いエスプレッソが絶妙にマッチしているんだな。

窓際に座り珈琲ソフトを食べながら行き交う人々を見る。

皆楽しそうだ。

私はいつからかおひとり様行動となった。
誰かと一緒にいると行動が制限されるので好きではないし、会話が途切れたりすると何かと気まずい空気が流れたりして気を遣うからな。

だが人並みに家庭を持ちたいという気持ちもないわけではないが…いつになったらそんな出会いがあるのかと思うが自信のなさゆえに飛び込む勇気もないわけで…。

しばらくは一人旅が続きそうである。

鬼が残したラーメンを食す

今日はすんばらすぃ日曜日だ。

私にとっては人生のダイヤモンド。
日曜日が無い人生はマシュルームが入ってないナポリタンと同じようなものだ。

その日、起きると軽く朝食を済ませる。そう、軽くだ。

全てはあの美味しいラーメンを味わうために…。

東松島市にある名店『支那そばや石巻』である。
このお店なあのラーメンの鬼と呼ばれた佐野実氏の弟子の弟子の店なのだ。

佐野さんはあの『ガチンコ!』という番組の企画『ラーメン道』に起用され一躍有名になった。
私も佐野さんを知ったのはこの番組だ。

しかしながら番組の演出なのか過剰な暴言や暴力的な姿を演じてしまったがために今で言う『炎上』してしまったのだ。
詳しい事は知らないがあの番組がきっかけで誹謗中傷や電話による嫌がらせがあったとか聞いたことがある。

今も昔も人の民度というのは差がないのだな。

だが佐野さんがラーメン界に残した功績は偉大だ。

たかがラーメンをハイエンドな食べ物に格上げしたのは佐野さんの功績だと思う。
業務用スープや既製品に頼らないラーメン作り、材料を吟味し厳選し徹底的に味を追求した。

まさに佐野さんは職人だった。

店は私語禁止、煙草禁止、携帯禁止と店の中じゃ佐野さんが法律そのものだった。
喋らばたちまち佐野さんの怒号が飛び店を追い出される。今の時代なら散々叩かれるような雰囲気だがこれは佐野さんのラーメンに対するこだわりそのものだったと思う。

多くを語れるほど佐野さんのことを知っているわけではないが…。

店に到着すると数人の行列ができていた。以前ならば大行列だったが店主が代わってからは前のように並ばなくなった。
これはコロナ禍も影響してるし単純に味が変わったとかはない。
いや、むしろ私的には美味しくなっている気がする。

開店と同時に店に入り席に座る。

若い店主のキレキレながら丁寧な仕事ぶりに席の客は釘付けだ。
この店では佐野さんの頃のように私語禁止とかはない。コロナでも無ければ普通に会話して食べても差支えはないだろう。

でも喋ることすら忘れるほどに美味しいのだ。
それはスープを口に含んだ時に訪れる幸福感が物語っている。

私が注文したのは『かけらーめん』
具はネギだけというシンプルなものだ。

だがこれがまた余計なお世話かもしれないが他の具に邪魔されることなく麺とスープの直球を味わえる。

麺は全粒粉の細麺。すこぶる喉越しが良い。
程よくスープを絡ませてくれる。

ああ、美味い…本当に美味い。

厨房では佐野さんが睨みを利かせている。

「どうだ?美味いだろう?」
と言ってくれているような気がした。

ちょっと光の加減でバッハみたいになってしまったが…orz

佐野さんはいなくなっても尚、多くの人を幸せにしているんだな。

作る人も、食べる人も。

また食べに行こう!

塩釜の老舗ラーメン屋『竹屋』

⚠過去の記事になります。

この日も仕事を終えて帰路についていた。

やけに道路が渋滞している。

「このままじゃ帰りが遅くなるなぁ…」

途中でコンビニによって夕食を買うかとも思ったがせっかく塩釜に来たのだしラーメンで済ますか。

塩釜にはかつてラーメン御三家というのが存在していた。

『来々軒』
『金富士』
『更科』
の三店舗を御三家と呼び人気を集めていたのだが残念ながら金富士は閉店。ラーメン御三家とは聞かなくなって久しい。

来々軒と更科は現在でも営業中だが時間的に既に閉まっている。

そういうわけで選んだのが塩釜の隠れ名店の
『竹屋』さんである。

寂れた雑居ビルにあり、なんとも昭和レトロな雰囲気を醸し出しているのだ。

ここのラーメンは本当に美味い。唯一無二の味と言っても過言では無い。

相変わらず親父さんと息子さんは元気だ。違う意味で元気だ。
初見の客は驚き不快な気持ちになるかもしれないがもはやこの店の独特の雰囲気と言ってもいいだろう。
仲がいいのか悪いのかいつも息子さんが親父さんにどやされている。

親子の軋轢とはあるがなかなかお互い譲れないこともあるものだ。

着丼したラーメンはまさに中華そばといった風情だ。

スープはとても透明。
香りも良い。
麺は細麺だがきちんとスープを絡ませてくる。


チャーシューは筋張った固い肉。だがこれが昔の中華そばって感じがしていい。

店内は狭く他の客が来るとあっという間に満席になってしまう。こういう場所は長居する必要は無い。

ノスタルジックな味わいに思いを馳せ、スープまで飲み干し完食。

なんか毎日食べても飽きないラーメンだな。

昔から食べているが本当にこのお店のラーメンは美味い。

親子仲良く(?)末永く営業してほしいものだ。

私のスネの話

私は泣いていた。

何故ならばパイプに脛をぶつけたからだ。
油断はあったのかもしれないが普段からストイックに鍛えている私がパイプ如きに負けて脛をさすりながら泣いているなんて…。

これが本気で鍛えていたらパイプなんぞはひしゃげて折れているはずだ。
だが実際には私の脛が負けてしまったのだ。
剛毛に守られているとはいえ、普通の歩行速度で衝突したらその衝撃は結構あるものだ。

昨年のRIZINで堀口恭司と朝倉海の試合が話題になった。その明暗を分けたのが『カーフキック』と言われるもの。昔はローキックなんだけどね…。

それが筋肉がつけられない場所を蹴るものだからすこぶる痛いらしい。

ましてや格闘家の蹴りだもの痛くないわけがない。

まさに私はそれを体感しているのだ。これは痛い!痛すぎる!
たぶん、宇宙の帝王フリーザ様だって脛を角にぶつけたら「今のはちょっと痛かった」だけでは済まないはずだ。

時間にして5分?程度だったろう。回復を待ち立ち上がる。

うおぉ!痛い!めちゃくちゃ痛い!
これが左脚だったものだから帰りの車のクラッチを無事に切れるか不安になった。
こういう時にATだったらと心底思うがぶつけたのが右足だったら同じことだ。

アクセルを踏むよりもアクセルからブレーキに移行した時にスムーズに踏めるのかということである。

だが、あんなに痛い思いをしたにも関わらず家に着いてシャワーを浴びている頃にはすっかり忘れて紫色になっている脛を見て
「何故傷付いているのか?」
などと思いを巡らせたのは歳を取った証拠だろう…。

南斗聖拳最強の聖帝サウザーでも北斗神拳は効かないかもしれないが脛を蹴られたら「効かんなぁ!」とは言えないと思う。
ましてやケンシロウの蹴りだ。我慢にも限界はある。

それだけこの脛というものは人類の弱点なのだ。
この痛みを知ってるからこそ極力気を付けてはいるもののぶつけてしまったのだ。

何となくだがバッファローマンが足に付けているやつが欲しくなってしまったのだ。
あれなんていうのかな?

あれを改造して一定の距離を感知した瞬間にエアバッグが開き脛を守るなんて装備があったらいいよね。
小型の足の小指バージョンとかもあればいいかもしれない。

そんなわけで私の大事な脛の話でした…。

ゴールデンサンデー

ゴールデンな日曜日よ、おはよう!!

すこぶる機嫌よく目覚めたのはきっと日曜日という解放感からだろう。

誰かの顔色を伺うようなしち面倒くさい人間関係とも無縁。
何故ならば私は日曜日は孤独に過ごす事を何よりも楽しんでいるからだ。

心に決めた。

今日は猫以外とは遊ばないと……。

だが週休一日だとはっきり言って1週間の溜まった家事をこなすだけで終わってしまう。
人生の貴重な休みがこんなことで潰れてしまうのだ。

この状況を打破するにはどうしたらいいものか皆目見当もつかない。
ひたすら社会の底を這いつくばって命があるだけでもありがたいと思わなければ救いがないというものだ。

はて?
そのゴールデンな日曜日をどう過ごすかが大きな課題となってくる。

散らかってる部屋を見るとため息が出るが部屋の掃除などわざわざ休日にすることでもあるまい。

寒さに震えながら着替えるとすぐに車のエンジンに火を入れる。
マフラーから立ち上る煙を見て、そのまま晴れ渡る空を見上げた。

絶好のお出かけ日和だ。

世間ではコロナ禍による自粛と騒いでいる。

自粛は必要かもしれないが過度の自粛は必要か?

ましてや人との接点をあまり持たない私が自粛したところで特に影響は無さそうだ。

高規格道路を走り向かったのはラーメン屋だ。

あのラーメンの鬼と呼ばれた佐野実氏の弟子の店『支那そばや石巻』である。

ここは感染対策もしてるし食事をしながら喋る人も少ない。仕切りも完璧だ。

完全な対策は無いかもしれないがやれることは全てやっている。
この店は週毎に醤油、塩と入れ替わる。
その日注文したのは味玉塩らーめん大盛り。

味玉塩ラーメン大盛り…970円

いつもはかけらーめんなのだが気分的にこちらを選択。

麺は細いが全粒粉でのどごしがすこぶる良い。適度にスープを絡ませてくれるのでまるで掃除機になったように啜れる。

全粒粉の細麺

スープはとても深みがあって適度な塩分。油分は少なくあっさり系だが味はとても複雑に絡み合う絶妙なバランス。

一言で言えば『とても美味しい』

店内には師匠佐野実氏の写真が客席を見下ろすように壁に掛けられている。
この味なら師匠もきっと頷いただろうな。

私が店を出る頃には長蛇の列が出来ていた。さすがに人気店なのだな。

気分良く店を後にして次に向かうは桃生町津山にある『お寺カフェ夢想庵』。

こちらも人気のカフェだがコロナ禍だからきっと人はいないはずだ。
そう思っていたが考えは甘かった。駐車場に入りきらない車がごった返していた。

さすがに諦めてそのまま河北に戻った。

立ち寄ったのは道の駅『上品の郷』

こちらは温泉も併設されているが今日は御遠慮しよう。さすがに人が一杯だと怖い。喋らなくてもだ。

外にある道の駅カフェにて休むことにした。

こちらでオーダーしたのは
『珈琲ソフト』と『白玉ぜんざい』である。

白玉ぜんざい…350円 珈琲ソフト…350円

上品の郷のソフトクリームはコクがあって美味しい。そのソフトクリームと苦いエスプレッソのハーモニーが口の中に広がって美味しいのだ。

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喫茶店ならアフォガートというメニューになるのだろう。

ぜんざいは小豆が沢山入っていてとてもボリューミー。これだけでランチは間に合ってしまうだろう。

行き交う人々を横目に天気の良さが相成ってとても良い休日を満喫出来た。

こんな日が永遠と続けばいいのにな……と思いながら帰路へついたのだった。