世紀の一戦が始まる!
令和4年。6月19日。
世紀の一戦と謳われた
『武尊 対 那須川天心 』戦が行われた。
これは格闘技界においては異例なことである。団体のエース同士が戦うということはある種のタブーのようなものだった。
勝負というものは厳しいもので光と影に分かれる。
負けた場合は選手本人のみならず団体の未来にも影響する。
最強対最強の戦いが始まろうとしているのだ。
試合の敬意についてはWikipediaを参照願いたい。
~試合の感想~
第1Rは圧倒的天心が優勢!巧みな戦術で武尊を追い込む!
序盤から天心は右のジャブで試合の流れを支配していた。
鋭く速い天心の右のジャブは武尊のガードをかい潜り顔面へと的確にヒットする。その威力は距離を測るという生易しいものではない。
武尊の顔面がみるみる間に赤くなっていく。
武尊はガードが高くない。大降りな右を繰り出すが天心のスピードを捉えきれない。
良くも悪くもいつもと同じ武尊の打たれてもガンガン前に行くスタイルだ。
1R目から明らかに天心が圧している。
だが武尊のパンチは決して軽くはない。当たれば倒れる。一発逆転もあり得るのだ。
まるで武尊のパンチを予測しているかのように最小限の動きで躱す天心に対して武尊は構わず前に行く。
それはある種の焦りのように見える。
なぜ当たらないんだ!?どうして俺のパンチは届かないんだ!?当たれば倒せるのにッッッ!!
そして1R終盤に大きく試合が動くッッッ!!
天心の左フックが武尊の顎を捉えた。
膝から崩れる武尊。
リプレイが無ければただのスリップにしか見えなかった。
それほどに速く、まるで稲妻のように炸裂したのだ。大きく沸く歓声。
これは歓喜なのか?或いは悲鳴なのか?
武尊は立てるのか!?あの打たれ強い武尊がマットに倒れている。現実なのか?
すぐに立ったがリプレイを見ると見事に顎を撃ち抜いていて普通なら絶対に立てなさそうなパンチだった。
ここで1R終了。武尊の表情が強張っていたように見えた。