紅い死の微笑み

5.紅い死の微笑み

「俺、体デカい、だから暴力嫌い」グレッグは大きな体を竦めて言った。「はぁ?意味がわからないわ。そんなデカい体してるのならみんなビビってしまうはずじゃない?」「お前わかってない、こっち来い」グレッグはキリコを促すと歩いていく。「ん?」グレッグ…

4.紅い死の微笑み

炭鉱街の中心へと歩を進める。「凄い人込みね!」「みんな坑道で働いてる炭鉱夫だよ。交代で働いてるから今が一番出歩いてる人が多いよ」「リュック!ちょっと手伝って!」途中、上の建物から女の声がした。「あ、スロウさん!」「ん?誰?」「親方の奥さんだ…

3.紅い死の微笑み

「しっかしすごい町ね~よくあんな断崖絶壁に家を作ったわね!?」キリコはキョロキョロと辺りを見回す。断崖絶壁から張り出すように家が何軒も並んでいた。「あれは元々坑道だったんだよ。そこに杭を打って家を作ったんだ。この辺は坑道だらけで地面に家を建…

2.紅い死の微笑み

「ねぇねぇ、あたいお腹空いてる上に泊まる所ないんだ!君の家に泊めてくんない?」キリコがリュックに顔を近付けると視線を逸らし後ずさる。「ええ!?ぼ、僕の家に!?まぁ…いいけど…もうちょっと待ってくれる?まだ仕事中なんだ」リュックはそう言うと足…

1.紅い死の微笑み

魂は終わりのない物語を紡ぎ出し、その中で永遠に生きようとする。我欲のままに都合の良い夢を見て魂は腐っていく。それが死を狩る者の手によって儚くも消えゆくものだとしても。渓谷に築き上げられた町には多くの労働者が行き交う。その多くは石炭や粉塵にま…