タグ: いわきレスリングプロジェクト

【 社会人プロレス 】挑戦!石巻プロレス大崎大会を観戦してきた話!その1

石巻プロレスとは?

石巻プロレスは宮城県を拠点とする社会人のプロレス団体である。

通常のリングを設営するわけではなく、地面にマットを敷いただけの簡易な

『マットプロレス』

を主とし各商業施設でも熱い戦いを繰り広げています。

現在は大郷町の温泉施設『夢実の国』や大崎市の『あら・伊達な道の駅』などで開催され、簡易なマットながら激しく熱い戦いを繰り広げ着実にファンを増やしつつある。

プロレスが好きでプロレスを愛する熱い漢(おとこ)達の団体!

レスラー達はプロレス専業で食べているわけではなく我々と同じ一般社会人である。

プロレスが好きでプロレスを愛しプロレスで地域を盛り上げようと奮闘している。

リングで激しい戦いを繰り広げた後は会社に出社し企業戦士として働いているのだ。

だが決してお遊びや趣味でやっているわけではなく本気でプロレスに打ち込んでいるのだ。

練習を積み重ね、屈強な肉体を作り、魅せる技を習得し小さなマットの上とは思えない躍動感と迫力を作り出している。

マットの上だとリングよりも危険度は高いのではないだろうか?

万が一でも負傷や事故が起きないようにきちんと体を鍛え技を磨いているのだ。

私はまだ観戦を始めてからは日が浅く、正直に言うとまだ全てのレスラーを把握しているわけではない。

それでも登米での興行以来、ハマりにハマりまくっている。

この日はリングでの試合ということで胸をときめかせ会場に向かうことにした。

出典:石巻プロレス公式Twitter

この大会にむけて職場の仲間に声をかけたり、SNSで発信したり私にしては結構大々的にPRいたしました。

しかし…

私の知り合いは

誰一人、来ませんでした!!

まぁ、私の影響力なんてゼロなので期待した方がバカでしたが、数カ月前だったら私も誘われても来なかったかもしれません。

プロレスというと私の世代だと闘魂三銃士です。橋本、武藤、蝶野の3人のユニットで子供の頃は興奮してテレビの前で応援したものです。

全日であれば三沢、小橋、川田、田上の四天王プロレス。

そんな時代に生きたからこそ社会人プロレスと効いてもイマイチ、ピンと来るものがないし知らないレスラーばかり。

中にはただのおじさん?みたいなレスラーも…。

一度観なければこの魅力に取り憑かれることはなかったかもしれないし、一度観るまでのハードルが高いと感じました。

マットプロレスと聞くとなおさらで

素人がプロレスごっこをしているというイメージしかわかない

とさえ感じたのです。

一度見ればわかる!でもその一度目が難しい!!

結局のところおひとり様で会場入りしました。

場所は松山町の体育館。

松山町といえば

スーパースター『フランク永井』

の故郷です。

ほどよく田舎で不思議な魅力がある松山町。

あの有名な酒蔵『一ノ蔵』があります。近くには酒ミュージアムがあったり観光も楽しそうです。

会場に着くとレフェリーの軍パンさんが検温対応してくれます。

実は軍パンさんは私の一つ下なんですよね。でも体が大きくてビックリしました。ここだけの話。

体育館にはリングが設営されており気分が高まります。

と同時にスマホ見たら…バッテリー残量がたったの28%!?モバイルバッテリー忘れた!!

なんてこったい!

こうなったらなんとかメインまで保たせるしかないだろう…ぐぬぬ…!

実はこの記事を書くまで4回ほど社会人プロレスを観戦しております。

本業の労働が忙しくてプロレス記事を書くことが困難でして…本来ならば順を追って記事を書いていきたいのですがそれも難しくて直近のこの大会の記事が最初になりました。

さて、会場には続々と観客が集まってきます。

よく見れば知った顔ぶれです。話はしたことはありませんがなんとなく親近感が湧くのと安心感がありますね。

和やかな雰囲気で試合までの時間を過ごします。

その間に売店を見ましょう。

売店では代表のグレートサラリーマンさんと今日デビュー戦のマサ・テシロギ選手がいます。

グレートサラリーマンさんは闘病中だったのですが最近現場復帰されたそうで一安心です。

夢実の国マットプロレスの時に初めて拝見したのですが、今回直にお会いするのは初めてなのにご丁寧にご挨拶されて恐縮でございます。

さて、選手の入場式が始まります。

選手入場式

今回出場される選手は

DEWAプロレスリングから

不動

軍荼利

YU-TA

アベドーラ・ザ・ブッチャー

サイギョー・ジェット・シン

いわきレスリングプロジェクトから

KYOHEI

ファイテング原田大二郎

朱剛

キング・ペンギン

秋葉原プロレスから

平田 明

夢実の国からは

ダテノ・ガッシーン

フリーで参戦!

後藤義温

ザ・ビック・バクエイ

チガイOKADN

ブラザーウィンガー

石巻プロレスからは

ネブタ・ザ・ドリラー

カモシカイザー

マサ・テシロギ

以上の選手が参戦しました!!

リング上でグレートサラリーマン代表が挨拶をしますが感極まって何を言うのか忘れてしまったようです。

ここまで来るのにどれほどの気苦労があったのか垣間見たような気がしますね。

石巻プロレスの興行に各団体から来てくれた選手達との絆。自身の病、いろんな思いが一気に押し寄せてきたのかもしれません。

こうして宮城の2022年最後の興行が始まりましたッッッ!

第一試合 後藤義温 対 マサ・テシロギ

新人マサ・テシロギ選手が本日デビュー戦です。

その相手は山形で行われた『RING KENDO』初代王者の後藤義温選手!

キャリアも実力も遥かに格上。勝っているのは体格のみ。

しかし、体が大きいからアドバンテージになるかというとプロレスはそこまで甘くはない。

まさに閃きというかインサイドワークの巧さも必要。

それが発揮できるのかどうかは経験がモノを言う。

後藤選手は体は大きくはないが武道で心身共に鍛えており経験は豊富。まさに百戦錬磨だ。テシロギ選手に不覚を取られることはないと思う。

この試合はどこまでテシロギ選手が後藤選手に食い込めるかというのが最大の課題だろうか。

ロックアップからの静かな立ち上がり。

武道の心得がある後藤選手が巧みにテシロギ選手の手首を操り体格差による優位性がないことを証明する。

そしてヘッドロックでテシロギを捕まえた後藤選手はなかなかヘッドロックを解かない。

ロープに投げようにも張り付いたように離れない後藤選手!

ヘッドロックって地味な技だけど、実は長い時間かけられるとかなりのダメージを負う技なんですよね。

しかもかけられている方は反撃するにも威力が半減するので脱出するのは困難。

なんとなくグラップラー刃牙のアントニオ猪狩対範馬刃牙の試合を彷彿とさせるワンシーンだ。

ここでテシロギ選手が後藤選手にバックドロップを仕掛けたら展開が変わったかもしれないがデビュー戦でいきなり使える技でもない。

だがこの膠着状態から脱したのがアトミックドロップ!!あれは尻が痛い!!

ちょっとぎこちないボディスラムからのヒロ斎藤ばりのセントーン!!

と流れを掴み攻めるもベテランの後藤選手は怯まずに反撃。

鋭いサッカーボールキックが炸裂し流れは後藤選手に向くかと思いきや!!

『マサ』のリングネームが象徴する技『監獄固め』が後藤選手に決まったぁぁーッ!!

マサ・斎藤を彷彿とさせる戦いぶりだが…ここで攻めきれず逆に後藤選手のフェイスロックでギブアップした。

こうして先輩レスラーの洗礼を受け石巻プロレスにマサ・テシロギがデビューしたのだった。

まだ荒削りな部分もあるが体格を活かした戦いをすればその荒削りが個性につながるのではないかと思った。

今後も成長が楽しみですなぁ。

もっと鬼気迫る気迫があれば強烈な個性が生まれるのかもしれません。

最後はお互い礼で終わる清々しい光景でした。

テシロギ選手には期待をしてます!

第2試合 平田明、チガイOKADO VS ザ・キングペンギン、ブラザーウィンガー

2戦目はタッグマッチ。

タッグマッチはプロレスの醍醐味だ。個人の強さは当然ながら連携プレーにおけるチームワークも大事だ。

強い選手同士が組んだからといって最強というわけではない。

平田明選手はTOMEバトルでも目にした。

かつての全日本四天王の一角、田上明を彷彿とさせる王道スタイルだ。

ブラザーウィンガー選手は山形でも参戦していたフリーのレスラーだ。

チガイOKADO選手は見たような…初見かな?

ザ・キングペンギン選手は初めて見ました。どんなレスラーなのだろう?

ブラザーウィンガー(左)とザ・キングペンギン(右)

キングペンギン選手は三冠王ということでチャンピオンベルトを掲げて入場。

ペンギンというリングネームでネタキャラなのかと思ったがガチで強いのだろう。

OKADO、平田明組の入場写真は撮り損ねてしまいました…残念。

ブラザーウィンガー選手はとにかく蹴りが得意。

キックの乱れ打ちで主導権を握っていきます。しかし、それを許さない平田選手は16文キックで反撃。

その隙にOKADO選手にタッチ。ウィンガー選手もペンギン選手に代わった。

二人共動きが速い!ペンギン選手がOKADO選手を場外に落とし自らもプランチャを敢行し場外戦へ。

場外はマットも敷いていなくてブルーシートなので投げ技を受けたら大変なダメージを受けてしまう。

それでもプランチャを敢行するのはすごいよ!

これは社会人プロレスである。この試合で怪我したら明日の会社の出勤はどうなってしまうのだろう!?

ましてや中には社会人プロレスをしているという事を秘密にしているレスラーも居るのではないだろうか?

ここまでやるか!?社会人プロレス!!

場外にてOKADO選手を羽交い締めにして実況席へ向かうとグレートサラリーマン代表に何かを要求している。これは…?

おーっと!!これは

グレートサラリーマン代表の渾身のチョップだァァァッッッ!!

OKADO大ピンチ!!

と思いきや…。

グレートサラリーマン代表は五十肩らしく逆に大ダメージを負ってしまった(苦笑)

ここで決まるペンギン選手のチンロック。

ジワジワとOKADO選手の体力を奪っていきます。

場外戦ではペンギン選手が二階ギャラリーに移動していく。

え?

ええ?

何するの!?逃げるの!?

そこから飛ぶのかぁ!?

や、やめてくれぇ!間違いなく大怪我するぞ!!

下ではOKADO選手が「無理無理無理!」と手を振ってます。

そりゃあ受ける方だってたまったものではない。

いくら鍛えていてもあの高さから落ちてくる人を受け止めたら骨の一本や二本折れてしまうだろう。

…明日も仕事だし。

OKADO選手はそのまま離れて、ペンギン選手はシズシズと降りていく。

ふぅ、安心したのだ。

この場で大怪我されたら後味が悪いのだ。

リング上では平田明選手とウィンガー選手の一騎打ち。

目を離しているすきに3カウントフォールが決まってました。

平田明選手の勝利です。

いやぁ、タッグマッチの醍醐味を味わえる試合となりました。

この試合ではキング・ペンギン選手の実力はまだわかりませんがかなりのテクニックを持っていましたね。

社会人プロレス…奥が深いのだ!

第3試合 カモシカイザー、ダテノガッシーン VS サイギョー・ジェット・シン、アベドーラ・ザ・ブッチャー

ここで石巻プロレス本隊のカモシカイザー選手が登場です。

類まれなる巨体を活かしたパワーファイトを得意としています。

そしてピンクのツナギを着ているのが夢実の国からやってきたダテノ・ガッシーン。

コミカルながら安定した試合運びをするテクニシャンです。

ちなみに夢実の国とは大郷町にある温泉施設で階段状になっている巨大な露天風呂が自慢の施設です。

以前はクラフトビールも製造していましたが現在は作っていません。

そしてサイギョー組が入場なのですがなかなかゲートから現れてきませんね…。

と思ったらまさかの反対方向から登場!!

いきなり会場を縦横無尽に回り観客を恐怖のズンドコに陥れます。

まさに阿鼻叫喚!!地獄絵図!!

不意をつかれた二人は襲撃を受け早くも大ピンチ!!

この悪役二人の登場で一気に会場の空気が熱くなる。

宮城 対 山形という図式となったがいきなり冒頭から喰われた感じだ。

突然の出来事に圧倒されるカモシカイザーとガッシーン組。

かの昭和の名場面を彷彿とさせる1シーン。

ガッシーン選手にアントニオ猪木の魂が宿ったのか!?頭の中には『炎のファイター』が流れていた。

腕折りで形勢逆転か!

そしてサイギョー選手の受けたムーブもかなり再現度が高く、痛そうだけど見てる方は笑ってしまう。

ナックルアローが炸裂!!一気呵成に攻め込むガッシーン選手。

時代は令和だがリングの中では昭和の時間が流れていた。

古き良きプロレスの時代。

最近ではプロレスは完全にショー化していると苦言を呈するレスラーもいる。

確かにそうかもしれない。

しかし、格闘技やブレーキングダウンなどの素人の喧嘩みたいなのと完全に差別化するには致し方ないのかもしれない。

本気の殴り合いを見るのを好む人はいるかもしれないが、プロレスだって本気の技のかけ合いだ。

受け身を失敗したら命を奪いかねない。

受ける方もかける方も地味で長いトレーニングを積んでいるのだ。

鍛えた者同士のぶつかり合いがプロレスの醍醐味だ。

リングの中では一番の恵体のカモシカイザーも見せ場はきちんと作る。

迫力あるパワーファイトが目を引く。

プロレスにおいて体がデカいというのはアドバンテージとしては大きい。

体重がそのまま武器になるのだ。ボディプレスだけでも必殺技へと昇華するのだ。

リバースインディアンデスロックなど古典的な技をかけてサイギョー選手を追い込む。

個人的にはかけてる側も痛いのではないか?と思ってしまうのだが実際のところはどうなのだろうか?

子供の頃に『足4の字固め』をしたら解けなくなって二人で泣いてたこともあったなぁ。

プロレス技というものは素人がやるには危険なのである。

ブッチャーも大暴れ。軍パンレフェリーも襲撃されリング上は大混乱の嵐!

なんて試合だ!

この二人を隠していたなんてデワプロ恐るべし!

結局最後はカモシカイザー選手のマスクを剥ぎ取ったことでサイギョー、ブッチャー組の反則負けになりました。

最後まで悪役の二人。

総評としてはプロレスならではというかリングや場外、客席(笑)をフルに活用した最高に面白い試合でした。

初めてプロレス観戦をした人も十分に楽しめたと思いますね。

ただコロナ禍ということもあり、なおかつ地域での興行ということでお客さんの反応としては薄い印象でしたね。

せいぜい拍手がパラパラと起きる程度ですが、まぁ、致し方ないのかもしれません。

観戦慣れしている人は声を出したりできるのでしょうが、まだそういう段階ではないのかもしれません。

でも客入りとしてはとても多いと感じました。

石巻プロレス発足から3年…まだインターネットでも情報が薄く、Twitter界隈でしか盛り上がっていない印象を持ってしまいます。

あと少し!

あと少しの何かがあればもっと社会人プロレスは大きく飛躍していく可能性を感じましたね。

さて、試合はいよいよセミファイナル!!