純喫茶星港夜シンガポールナイトは思い出の中にだけ存在するお店になるのかもしれません。
長年仙台で営業していた純喫茶星港夜シンガポールナイトが今年限りでその営業を終了してしまいます。
仙台にあるのに仙台市民が知らない喫茶店として知られている?喫茶店でしたが、マスターが高齢なのと客足が伸びずにその灯りを落とすことを決断したようです。
せめて
客足が伸びたらもう少しだけ営業を続けてくれたかもしれません。
しかし
これから外食産業は増税により厳しさを増し、仮に続けたとしてもその延命は短いものとなるのではないでしょうか?
ならば
あと少しだけ続けてほしかったという気持ちを残したまま心の中にだけ存在するお店として思い出に残せればいいのかもしれません。
あくまで
ポジティブに考えた結果ですが、この古い喫茶店こそ残しておきたいと思いました。
仙台を離れ、そして戻ってきたときにその店がまだ存在していたならば嬉しいですよね。
懐かしい気持ちになれるお店ってなかなか無いと思うんですよ。
閉店までのメニューはセットメニューのみ。
閉店まで4日限り。
その間はセットメニューだけになります。
スイーツ(ティラミスなど)+ドリンク(コーヒーなど)で2000円。18時以降は200円プラスになります。
それだけ聞いて注文せずに出ていくお客さんも中にはいます。
高いと感じるか?
安いと感じるか?
は個人差があると思います。
しかし喫茶店とはただ単に珈琲を飲むだけのものではなく、空間そのものも楽しむものです。
味も重要ですが、その味を引き立てる雰囲気も時には大切です。
マスターは光の演出にとてもこだわりを持っております。
光と影、そして白熱球の温かみある灯りが心を穏やかにしてくれます。
大晦日も元旦も休まずに営業していた日本でも数少ない喫茶店だと思います。
夜遅くまで営業しているのも珍しく、残業で遅くなった日も柔らかい明かりに包まれて一杯の珈琲を飲む。
人生にはそういう時間も必要です。
一杯の珈琲に想いを馳せ、過ぎゆく時間の中で時代を感じつつ過去を振り返る。
この店の珈琲にはそうさせる味わいがあります。
この店にはたくさんの人と訪れました。
今はもう誰一人共に行く人がいません。
人生は一期一会…なんですね。
ティラミスと珈琲…。
ティラミスは『ダヴィンチクラシック』という名前がついています。
珈琲は『月の光』
濃度は普通。
以前は
ノクターン…薄い
月の光…普通
カノン…やや濃い
運命…濃い
無伴奏…特濃
といった感じで濃度に応じて種類が選べました。
そして、今回の月の光は
『三浦春馬さんが店に訪れた時に飲んだ珈琲』なのです。
カップもとてもお洒落です。
クラシカルなデザインがとても良いですね。
月の光は苦味と仄かに感じるフルーティーな甘さがあります。
この珈琲に恋い焦がれて他県から足を運ぶ人達もいます。
むしろ
仙台市民よりも圧倒的に他県から来る人の方が多いのではないだろうか。
ティラミス…別名『ダヴィンチクラシック』です。
これはマスターの傑作であり、マスターにしか出せない味です。
とてもクリーミーで香り高いココアパウダーと合わさりとても幸せな気持ちになれます。
この味が仙台から失われてしまうのはとても残念です…。
この店も私の人生の一部になっていました。
無くなってしまうのは嫌だなぁ…思い出がすっぽり抜けてしまう気がして…。
せめてマスターが引退を決める時まで営業していてほしかった…。
でも時代がそれを許さなかったのかもしれない。
少なくとも
純喫茶 星港夜が存在して、珈琲を飲めたことが人生の中ではとても貴重な体験だったのだと思うのです。
純喫茶星港夜の店舗情報
住所:〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉1丁目12−1
電話番号:022-222-2926
営業時間:12月22日〜25日。たぶん22時くらいまで。
駐車場:近隣コインパーキング