夜のドライブが好きだ。
気分転換?
いや、過去と向き合う時間が欲しいのだ。
大人の都合に振り回された子供の頃…もし普通に幸せに育ったら、また別な自分がここにいるのだろうか?
夜の町が好きなのはあの明かりの下にたくさんの人がいて、笑ったり、団欒があったり、中には同じように普通の家庭ではないだろうが…明かりの数だけ人生があると思うとなんとなく気持ちが軽くなるのだ。
誰とも気持ちを通わすことが出来ない寂しさもあるだろう。
あえて孤独を選んだ道は間違いだったのかもそれないと自問自答しながらも思うことは『どうせ居なくなって悲しむなら最初から会わない方がいい』という気持ちが強い。
子供の頃の友達は誰一人いなくなった。
なんとなく距離感というか…人が離れていくのがわかるんだよ。
ああ、また居なくなったって。
つまりその人の人生の中には私など居なくても構わないのだ。
淡白かもしれないが…自分の中ではそういう諦めもある。
彼女を作らなかったのは私と一緒にいる時間の長さだけ無駄になるからだ。
その人の幸せを願うならば、想いが強くなればなるほど離れようとしてしまう。
どうしても自分という存在が邪魔になってしまうのだ。
そして誰かの人生を背負う覚悟も無いし、誰かを幸せにしようなんてことも思えなくなった。
自信がまるで無いのだ。自分と関われば必ず不幸になってしまう。
私には幸せの基準なんてないんだよ。
愛し方も愛され方も知らない。
みんなは幸せかなぁ…。こっちの世界は寒くてかなわないよ。