【トラウマ】悪夢で夜中にビクン!!

私は鼻歌混じりにドライブを楽しんでいた、

晴れた空に白い雲、青々とした草原には風が吹き草が揺れてキラキラと輝いている。

もう少し走ると海が見えて来るはずだ。カーラジオからは倉木麻衣の『Feel fine!』が流れている。

窓を開けると初夏の潮風が車の中に流れ込んでくる。なんて気持ちの良い日なのだろう。帰りには美味しいラーメンでも食べて休日を満喫しよう!

アルトCはタービン音を轟かせながらカーブをクリアしていく。すると先の交差点の信号機が赤に変わり停車する。

ドリンクホルダーにある結露した缶コーヒーを手にしてルームミラーを見る。後続車が接近してくる。その時だ!異変に気が付いた!!

運転手が明らかに前を見ていない。下を見てスマホを操作している。

おいおい…こっち見ろ!その数秒後、車はノーブレーキのまま私の車に突っ込んできた。轟音と共に背中に強い衝撃を受け視界が何回転もする。体が痺れて口に血の味が広がり鼻から噴出する。ガラスの破片が目の中に入り一瞬見た私の腕はありえない方向に曲がっていた。

あ、死んだ…と思った。歪む視界の中で外で誰かが喋っている。

『これ、死んだな…』

『いや、俺は悪くねぇーよ!こいつが急に止まるからブレーキが間に合わなくて…』

え…嘘やろ…お前がスマホ弄ってて突っ込んできたわけやろ…と言いたかったが口の中はズタズタで喋ることが出来ない。顔の横を生暖かい血が生き物のように地面を這って広がっていく。

ああ…死ぬんだ…。案外呆気なかったな…人生の最後でも結局悪者にされて死ぬんだ…ろくでもない人生だったなぁ…。

急に体がフワッと浮かび上がったと思うと高層ビルから落ちるような感覚に襲われ釣り上げられたカツオのように体がビクンと跳ねた。

「あ…夢か…」

時刻は2時半…微妙な時間に目が覚めたなぁ…。誰もが自分が明日死ぬとは思わないし今日死ぬとも思わない。朝に玄関から出て家のベッドで寝るなんて実はすごく運がいいんじゃないかと思うようになってきた。

夢で良かったけどものすごくリアルだったのであのシチュエーションになったら思い出すようにしたいですね。

「あれ?このシーン夢で見た?あれ…倉木麻衣の…あれ?あの交差点?」そしてあの乗用車…突っ込んで来たのはアレでした。

ファイナルディスティネーションをリアルに感じたのであった。