12.テトテト散歩~哀愁釜石編

~前回からのあらすじ~

 蓬莱島へ行くと過去の記憶が蘇り有子さんとの思い出を胸にしまい込んだ私は新たな人生のスタートを切る決意をした。
 こうして釜石の旅は終わろうとしていた。


 これからの未来を共に歩く人と新たな思い出を作っていく。

 過去に置いてきたものに時々振り返りながら前に進むのだ。
 有子さんの姿が少しずつ消えていき、テトと重なった。


テト『またいつかまた逢えるお。その時に恥ずかしい君のままではいたくないだろ?』
 テトは島から見える海を両手を広げ眺めていた。まるでこれから空を飛ぼうとする鳥のように。

「恥ずかしいままとは言ってくれるなぁ。まぁ、確かにそうかもしれないけど…もう会わなくていいよ。遠い過去の美しい思い出のままにしておくよ」
 テトは手を差し出した。


テト『ボクと一緒に行こう!この先へ!』
 私はその手を握り一緒に歩き出した。

 釜石駅前に戻ると太陽は山の方へと落ちていた。


テト『釜石はいい所じゃないか』

「そうだね。そうだ、少し寄り道していこうか」


 駅の隣にあるホテルの展望バルコニーへと登り町を見下ろした。


 今からずっと遠い昔にこの町にいたのだ。若い頃の私と有子さんが住んでいて、僅かな限られた時間の間に交流したのだ。

 今はすっかり町も変わり、人も変わり、新しくなっていく。古い時代の面影は少しずつ失われていくのかもしれない。

 それでも釜石は私の心の故郷なのだ。


テト『なんか夕方になると哀愁が漂ってくるな』
「そうだね…目を瞑ると思い出せるよ。あの頃の町並みを…」

 若い頃の悩みはまだ現在進行形だ。未来は見えないし、真っ暗闇だ。一生解決しないかもしれない。


 それでも抗って悩み葛藤して涙を流しながらも前に進むしかないのだ。

 ここまで来るのに多くの人と出会いすれ違ってきた。時には裏切り裏切られ笑い合いながら、涙も流しながらも歯を食いばった。
 でもここまで歩いて来たのだ。この時代へと。

 帰りの車の中でテトは眠り頭を揺らしている。

「思えば…遠くまで来たもんだ」
 
 背後には夕焼けに染まる釜石の街が徐々に遠くなり見えなくなっていった。

終わり

~あとがき~

 12週に渡り続いた私と重音テトの散歩旅はこれで終わりです。
 お付き合いいただき誠にありがとうございました!!

 編集作業は8月から始めてました。
 企画は今年の初めに思いつきまして釜石へ行った時に撮影をしておりました。

 物語の中の季節は夏の終わりなので、少しだけズレがあります。
 
 釜石は若い頃に住んでいた街でした。私にとっては第二の故郷のような場所です。
 語り尽くせない程いろいろなことがありました。多感な頃に経験した思い出は大人になると哀愁となって心に去来するものがありますね。

 もうあの頃には戻れないのに、どうしてあの頃は今を大切にしなかったのだろうと後悔する部分もありますね。

 この物語を編集している間にプライベートで多忙を極めてしまい、物語としてかなり拙い部分もあったと思います。

 長い時間をかけて加筆修正作業もするつもりです。

 一応テトテト散歩としての企画はこれで一旦終了して次の企画のために撮影を行いますね。

 しかし、MMDを使ってブログを書くなんて無謀なことをしてしまったものだと思いましたよ。
 労力の割に伸びない伸びないPV!ようやく二桁って感じです。

 まぁ、それでも自分が楽しいからいいか!って感じです。

 それではまたいつかテトさんに会える日が来ることを!