タイトルは悲報なんですが…確かに悲しいけど…そうじゃないんだなぁ。
利府町にある味一品が10月2日で閉店するそうです。閉店理由はコロナ禍や親父さんの体調不良ではなく『引退』ということだそうです。
これはYouTuberとかの引退とは違いますよ。不祥事を起こして再起不能になって引退とかね、言葉の使い方が間違ってる気がするんですよ。
引退とはやることをやりきってその仕事から身を引くことです。
親父さん…やりきったんだなぁ…。私は常連にはなれませんでしたが…泉区のびっくりドンキー隣にあった頃は本当によく食べました。当時は若い兄さんと一緒にやってたんですよね。小さなプレハブ小屋で。
最初はタレを入れるとかわからなくて味も素っ気もないこってりスープのラーメンを食べて衝撃を受けました。行くたびにタレの分量を調節していく内に自分の味が出来ていくんですよね。
私のベストの調合はちょうどレンゲ一杯でした。
夜中まで営業していたので残業して疲れていた時に食べるラーメンは美味しかったなぁ。決して綺麗なお店じゃないし、毎回同じ味ではないし、写真映えするような盛り付けでもない。
でも惹きつけられる魅力がありました。
ラーメンの美味しさってなんだろう??
うーん…
その一杯を食べるとその時代を思い出すんですよね。若い頃のことや一緒に食べた人のこと、仕事で失敗して悔しくてヤケ食いした時のこと、ラーメンの美味しさって…
思い出なんじゃないかなって。
だからそのお店が無くなるのは普段忘れている記憶を思い出すきっかけが失われることに対する寂しさなのかなって…。
そう思ったんだ。
親父さんは食べに行く客にとっては親父みたいな存在でしたね。まだ早いのですが…私は食べに行けそうもないので…
本当にお疲れ様でした!!
現在、お店は連日大行列のようです。何となく思ったのですが…普段からこれだけお客が訪れていたら後継者を育てる程の余裕が生まれたような気がするんですよね。
私は素人なので詳しくは知りませんが、飲食店において味を受け継ぐというのはとても難しいことだと思ってます。ましてや個人でやっているお店で素人から職人に育て上げるのはほぼ無理な気がするんですよね。
代替わりした途端に常連客が離れていくこともありますし、逆に新規の客層を得られることもあります。職人は人に仕事を教えるのが苦手なので尚更ですね。
このまま味が失われていくのは残念ですが仕方がないのかなぁ…。
一つの時代が終わりました。