月: 2021年2月

長町ラーメンは懐かしい味

仙台市の長町と言えば区画整理が住み再開発され近代的な街へと生まれ変わっている。

長町と言えば何となく仙台のスラム街みたいなイメージがあった。汚い暖簾の居酒屋が連なりストリップ劇場があって雑居ビルが建ち並ぶイメージ。
それがオシャレなマンションが並び綺麗な公園が整備されて若者が多い街になった。

これも時代の流れなんだなぁとしみじみ思う。

そんな長町で営業してきたのが
『長町ラーメン』である。

今は住所を移し向山で営業している。

かなり昔に食べたことがあるが当時はどこにでもあるポピュラーなあっさり中華そば系のラーメンだった。

それが今や昔ながらのラーメンは姿を消しつつあり貴重な存在になってきた。
その中でも決してブレることなく味を守り続けてきたのが長町ラーメンなのである。

現在はラーメンランキングに常時載るくらいの人気店へと成長していた。

懐古感に駆られて出かけることにしたのだ。

立地は交差点の角にあり非常に出入りがしにくい上に駐車場も狭くて難易度が高い。
時間帯によってはなかなか入れないか出れないかと苦戦してしまうだろう。

店は小さくて狭い。

時間をずらして行ったものの交差点の信号機によってはやはり進入しづらい…。

車を停めて店に行くと数人の客がいたが待ち無く着席することができた。

懐かしいな…もう最後に食べたのは10年以上前だ。

長町ラーメン味玉入り

懐かしいビジュアル…そうだ。こういうものだった。

まさにラーメンそのものだ。

まずスープを一口…。

うん!美味い!魚介の香りが強いのは好みが分かれるだろうが臭みも無く口の中から鼻腔へと香りが抜けるのが心地よい。

これはいいものだ!

では麺は…細麺である。うん?こういう麺は見た事あるな?

何となくだが最近食べたような気がしないでもない。

さて、ズルズル…

そこで事件が起きてしまった!!
不覚にも麺を噛んだ瞬間に自分の頬肉を一緒に噛んでしまったのだ。

激痛と共に血の味が口の中に広がる…こうなってはラーメンどころではない…。

ざんねん!
ここでわたしのしょくレポはおわってしまった!

だが…残すわけにはいかない。こんなに美味しいラーメンを残すのはプライドに反する。

とめどなく流れてくる血を飲みながらも頑張って完食した。スープまで飲み干した。
痛みと血の味でなんかよくわからなかった。

一口目のスープは美味しかった。だから尚更残念なのだ。

悔しいですッッッ!!

とりあえず…怪我が治ったらまたリベンジします!!

吉作落としからの生還を考える

皆さんは吉作落としとはご存知だろうか?

これはまんが日本昔ばなしで語られた話で、天涯孤独の身の吉作が山仕事をしていて断崖絶壁にある岩棚で休んでいたところ、降りるために使っていた縄が吉作の体重で伸びきっていたがために手を離したら元に戻って、手が届かなくなり岩棚で遭難して最後には飛び降りるという救いようのない話だ。

あれで吉作生還ルートは無かったのだろうか?と考えることにした。

この話はあの吉作の立場で作った話である。



俺は吉作。幼い頃に両親を交通事故で亡くし天涯孤独の身となった。
逞しく山の男に成長したが彼女いない歴=年齢だった。

なぜなら村には若いのが俺一人で若い女なんて見たことねぇ。
都会にはデスコとか空桶とかあるとか聞いたことあるが俺にはなんのことかさっぱりわからねぇ。
だから山さ登って崖になってる岩茸を採って生活をしている。
この日も朝早くから山に登って岩茸していた。

そろそろいつもの場所だと岩茸が採れなくなってきたから今度は行ったことがない崖へ向かうことにした。

初めての崖だがおれはいつものように木に縄を縛り付けて降りて行った。

するとなんということでしょう!
たくさん岩茸がなってるでねぇか!
俺はホクホクして次から次に岩茸を採った。

しばらく夢中で岩茸を採っていたら腕が痺れてきた。

下を見ると俺が一人で座れるくらいの岩場があった。
ここから上に上がるのは体力的に厳しいだろう。だからそこで一休みすることにした。

岩場まで来ると掴んでいた縄を離して飛び降りた。

するとその勢いが強すぎたのか岩場は脆くも崩れ去り真っ逆さまに落ちていった。

岩場に体が何度も叩きつけられ腕が折れて体のありとあらゆる骨がボキボキ折れた。

薄れゆく意識の中で思ったことは体力に余裕があるうちに一旦戻ればよかったのだ。
たくさん採れることに夢中になり過ぎたせいだ。

こうして俺は死んだ。

終わり

って、もう死んどるやん!?

次回
『こんな吉作は××だ!』

果たして吉作は生還出来るのか!?

人間ドッグで天に召されそうになった話

私はその日は人間ドッグだった。
普段からジャンクフードばかり食べている私にとってはまさに恐怖そのもの。

再検査となればまたもや余計な費用がかかるというもの。

元旦から毎日10km走りまくっていた。まさに焼き付け刃もいい所で突然体が変化するわけでもない。

それでもやらないよりはマシだろうとひたすら走っていたのだ。

そして満を持して迎えた人間ドッグ。

ドラゴンボールで言えば100倍重力で修行した孫悟空のような気持ちだった。
運命の体重計に上がる。

86kg→74kg!!

おおおぅ!?痩せてるぅ!?

体脂肪率は…32%→22%!?

おおおおおお!!!?

見た目があまり変化無さそうだけど数値は確実に痩せているのだ。

食事量はほぼわかっていない。これは明らかな運動量のおかげだろう。
毎日10km走るのは大変だった。

それから検査は着々と進みなかなかの好成績を打ち出していく。

長年低血圧で悩んでいたが今回は初めて通常値だった。

視力に限っては人生初の1.5を記録した。
これは毎日走ることによってスマホやパソコンを見る時間が激減したおかげかもしれないし、筋肉量が増えたかなにかして毛細血管が復活して血流か良くなった副産物かもしれない。

明らかに私は人生で絶好調だったのだ。

内臓関係はすぐに結果はわからんが自覚症状は特に無いので悪くはないと願いたい。

そして最後の胃の検査だ。
バリウムを飲む前に発泡剤を飲んで胃を膨張させるのだ。

スティックをもらい一気に口の中へ粉を放り投げた。水を飲んで流そうと思った瞬間!!

ブフェヘアアアッ!?

私は豪快に泡を噴き出した。まるでグレート・ムタの毒霧のようにだ。

咳き込んだ拍子に鼻の中まで侵入し鼻からも泡が出てくる。

なんていうか、目の中からショワワワと音がする。

「あらまぁ!なんということでしょう!」
職員の方がビフォーアフターばりに驚いている。

とにかく苦しいっ!!息ができない!!
口からも鼻からも泡が出てるのだ。

まるで怪人カニ男だ。

なにか喋ろうとするにも泡が口からもショワショワ出てくる。

「あららら!」
職員の方も慌てふためくしかない。

その時私は思った。

今まで頑張って踏ん張って一生懸命に生きてきたのにこんなつまらないことで死ぬんだ…と。

本当に人間は簡単につまらないことで死んでしまうのだ。
全てが辞世の句を詠んで死ぬのではないのだ。

犬の散歩に出かけて犬の糞を取ろうとして身を屈めたら心臓麻痺で死ぬ人もいる。

相撲を見ていて興奮し過ぎて心筋梗塞を起こす人もいる。

今まで頑張って何十年と生きてきて最期に見たのは犬の糞やらお相撲さんのケツなのだ。

そういう人も中にはいるかもしれない。
全ての死がドラマチックではないのだ。

私は息ができない状況を理解した。もう死ぬんだ…儚い人生だった。一度でいいから宝くじに当たってみたかったと思ったが宝くじなど買った覚えがない。

なにか人生で良いことがあればよかったとは思ったが人生の良いこととはなんだろう?と疑問に思った。

そうしていると職員の方が
「バリウム飲むと落ち着くから検査してみよう!」と言った。

鼻から口から泡が出てる状況でバリウムを飲むのだ。
確かにドロドロしてて飲みやすい。

飲み終えた頃には咳も治まり何事もなく検査を終えることが出来た。

検査を終えて寒空の下に放り出された私は思った。

人間はどんなつまらないことでも死ぬんだ…と。

上品の郷の珈琲ソフト

支那そばや石巻さんを後にした私は暇を持て余していた。
厳密に言うと暇ではなく結構やることが溜まっていはいるのだが、この日曜日を満喫しなければ勿体ないじゃないか!

とは言うものの…いざ休みとなると特にやることもないというか休み下手なんだよなぁ…。

何に対してもアグレッシブになりたいとは思うものの先立つものが無いのでネガティブになりがちだ。

そこで向かったのは石巻の河北町にある道の駅
『上品の郷』である。
上品と書いてじょうぼんと読むのだ。

私は度々この道の駅には訪れる。なんて言うのかなぁ、誰かがいる安心感?

ただ何となく皆が楽しんでいる場所に行きたいだけなのかもしれないな。

ここには温泉施設があるのだがこのコロナ禍の状況ではなかなかそんな気にはなれない。

まぁ、温泉に入ってゆっくりしたいという気持ちがないわけではないがここで万が一感染したら人生が詰んでしまいそうだ。

上品の郷の外には…正確にいえば休憩室みたいなものがあるのだがその中に道の駅カフェがある。

そこの珈琲ソフトが抜群に美味しくてこれを目当てにやってくるのだ。

散々語ったが珈琲ソフトが食べたいだけだ。

コクのあるソフトクリームに苦いエスプレッソが絶妙にマッチしているんだな。

窓際に座り珈琲ソフトを食べながら行き交う人々を見る。

皆楽しそうだ。

私はいつからかおひとり様行動となった。
誰かと一緒にいると行動が制限されるので好きではないし、会話が途切れたりすると何かと気まずい空気が流れたりして気を遣うからな。

だが人並みに家庭を持ちたいという気持ちもないわけではないが…いつになったらそんな出会いがあるのかと思うが自信のなさゆえに飛び込む勇気もないわけで…。

しばらくは一人旅が続きそうである。