デス・ドアーズ エピソード2…死の迷走

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終わりのないドライブの始まり。

暗い山道に迷い込んだシュクレン。そこへ通りかかった強面のトラック運転手純一郎と出会う。
トラックに載せてもらうことになったが、それは決して終わることのない死のドライブの始まりだった。

全6話

  • 1.死の迷走

    死して尚、無念の想いは強く残り迷える魂が不浄と化し妄想セカイを作りデスドアに幾多も存在する。荒涼とした斑(まだら)の大地が広がり暗く、光もない死者が辿り着く最後の場所。金属同士が激しく擦れ合い、甲高い音と重厚な音が混ざり合う。空気が一気に抜…

  • 2.死の迷走

    暗い道は曲がりくねり複雑な曲線を描いていた。ヘッドライトの先は真っ暗闇で鬱蒼とした森を照らしている。時折、ライトに照らされた木の影がトラックに合わせて動き不気味さを醸し出していた。「しかし変わった名前だな!ロシアあたりから来たのか?あんな所…

  • 3.死の迷走

    「おかしいな…俺もお前みたいに記憶喪失かよ!何かおかしいな…疲れが溜まってるのかもしれないな」純一郎は運転席に貼られている写真を見る。子供を抱いて笑みを浮かべている女性が写っていた。「…それは?」シュクレンは興味深く身を乗り出す。「これは俺…

  • 4.死の迷走

    どこからか現れたカラスが再びフロントガラスを叩く。「あの時…女は突然剃刀を出したんだ…それから…?それからどうしたんだっけ…ああぁ…」純一郎が頭を押さえて何かを思い出そうと激しく頭を振るとトラックは更に激しく蛇行を繰り返す。「そうだ…思い出…

  • 5.死の迷走

    「ギギギグァ…か、帰るんだ…家へ…!!俺の家へ!!」純一郎の顔が苦痛で歪み、裂帛の叫びと共にエンジンが轟音を上げる。一気に加速を始めシュクレンに襲いかかる。「シュクレン!寸前で横に飛べ!そして後ろからキツいのを食らわしてやれ!」トラックが目…

  • 6.死の迷走

    純一郎が発進して猛加速し迫る。「お、俺は…帰るんだ!家族のいる家へ!!帰るんだぁ────っ!!!!」「…純一郎…思い出して」跳躍してトラックの猛進を回避し体を回転させながら鎌を振るとトラック前部のピラーが切断されルーフが吹き飛んだ。運転席が…