【ニュース】ラーメンの鬼の味は語り継がれる

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ラーメンの鬼佐野実氏の支那そばやが東京駅に出店かぁ。

私は本店の味はおろか佐野実氏のラーメンそのものを味わった事はない。知ってるのはその弟子の味だけ。

佐野実氏のことを知ったのはテレビでやっていた『ガチンコ!』のラーメン道だ。当時としては新しい手法でドキュメンタリーに近い形で放送していた。台本があるとは視聴者は知らないのだ。

ただ佐野実氏に抱いた感情は『偉そうな怖いおじさん』だった。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという感情で若い頃に弟子の店でラーメンを食べたら“”普通のラーメン“”だったことにガッカリした。

当時は家系ラーメンが台頭してきており宮城にも『仙台っ子らーめん』が出店し始めてた頃だ。濃い味、こってりが美味いラーメンの基準だった。

そんな折、15年ぶりに支那そばやに行く機会があった。その時には週に三日程の営業。店主の体調も悪いようで動きもキレがない。

その時に食べた“”普通のラーメン“”は体に染み入りとても美味い!!と感じた。若い頃に食べた時とは味の感じ方が違うのだ。もう佐野実氏は鬼籍に入っていたが、出来れば存命の内に、本店で食べたかったと思ったものだ。そして店主の体調も芳しくない…この店の味も失われていくのだろうか…と一抹の寂しさを感じつつラーメンを啜っていた。

私はこのラーメンが大好きだったのだ。佐野実氏が作ったラーメンは時代に流されずに直系の弟子によって守られてきたのだ。

平日に休みになれば営業日を確認して出来るだけ今のうちに食べておこうと思った。決して忘れないように。

だがある日、店主の仕事を近くで見つめる若者の姿があった。私はもしかして後継者なのか!?と大いに期待した。この味を受け継いでくれるのか!?と。

その若者は二代目店主として店を切り盛りし支那そばやのラーメンの鬼の味を受け継いでくれている。佐野氏が存命ならば弟子の弟子の成長に目を細め喜んだに違いない。

佐野氏は店内を見下ろすように腕組みをして睨みをきかせている。

『どうだ!俺の弟子が作るラーメンは美味いだろ!』

ラーメンの鬼と言われた男は今でもたくさんの人達を幸せにしている優しい鬼だった。

この東北の地でも佐野氏のラーメンは多くの人に愛されています。

 

うわぁ、また食べたくなってきた!!